ヘキサ日記 Blog

 

2017年9月11日

アフォーダンスってなに?

ちょっと前ですが、ダヴィンチのパラドックスが解明されるかもしれない

という記事をヤフーニュースで読んで、

 

レオナルド・ダ・ビンチ以来の「泡の謎」に迫る

https://news.yahoo.co.jp/byline/ishidamasahiko/20170818-00074648/

 


なになに?泡の動きは「慣性モーメント」が関係している?

「慣性の法則」?「トルク、モーメント」?

なにやらフルイド(流体力学)とか生体工学アニメーションに関係ありそうだぞ?

そういや、青木慎也が腕ひしぎ十字固めをはずすの解説の時に

トルクとモーメントを使ってアカデミックな解説をしてたかも?

ぶっちゃけこの記事よく分からん。とりあえず模写してみるか……


 

と頭のアンテナが反応しワクワクした東京開発モーションデザイナーのおおみや(む)です。

 

 

本題に入って、これまでのブログはアニメーションについて実践的な内容でしたが、

今日は座学。本のご紹介をしたいと思います。

 


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アフォーダンス入門

著:佐々木正人

https://www.amazon.co.jp//dp/4061598635/


 

アフォーダンスと聞いて、ちょっと小難しいな?中二っぽいような、

近寄りがたい感じの、よく分からない専門用語だなと思う人は多いかもしれません。

 

アフォーダンスとは引用すると、生態心理学者ジェームズギブソンの造語で

 

英語のアフォード(afford)「与える、提供する」などを意味し、

 

アフォーダンス(affordance)は「環境が動物に提供するもの、

用意したり備えたりするもの」<~中略~>ぼくら動物の行為の

「リソース(資源)」になることである。

動物の行為はアフォーダンスを利用することで可能になり、

アフォーダンスを利用することで進化してきた。

 

そして、

 

アフォーダンスはフィジカルであり、バイオロジカルでもあり、

サイコロジカルなことである。物であり、生きものに関係しており、

そしてぼくらが「こころ」とよんでいる環境と行為との

かかわりプロセスの中心にあることである。

生態心理学をはじめることは、だから、物理学と生物学と心理学との

間に今ある高い垣根を超えようとすることでもある。

 

ということらしいです(汗)

 

いっそう分からなくなりましたが、解剖学を引き合いに出して少々強引に理解すると

どちらも科学的でありながら、解剖学がいきものの動く仕組みを解剖して

内へ内へ探求するのに対し、生態心理学外側(環境)から徹底的に観察

し、いきものが動く仕組みを探求していく学問で、その発想の大元にあるのが

アフォーダンスということになります。

 

そして「こころ」を魂(アニマ)とか観念的でなく環境と行為の観察

分析し、科学的に解明していこうというわけです。

 

なにやら「クランカー」「ダーウィニスト」、

もとい「機械主義者」「生体工作者」の対立の様で勝手に盛り上がってきましたよ!

 


気になった方はこちら↓

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リヴァイアサン: クジラと蒸気機関

著:スコット ウェスターフェルド

https://www.amazon.co.jp//dp/4150119333/

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スキズマトリックス

著:ブルース・スターリング

https://www.amazon.co.jp//dp/4150107513/


 

少々脱線しましたが、その入門ということで登場するのがダーウィンです。

ダーウィンは進化論で有名ですが、動植物の生態の研究でも有名で、その観察、分析などにより、

動物行動学の基礎を築いた人でもあります。

 

サンゴからはじまり、ミミズ、カエルなどの環境に基づく生き物の研究の解説などを例に

環境といきものの生態を解説しつつ、その周りの環境、地面や水や大気、波や重力や光について

突っ込んで解説していきます。そして、ここで重要なのは環境からの刺激に対する反射ではない

ということですね。

環境が生態に影響し、知覚するというのは外界からの刺激に対する

単なる反射ではないということを説明しています。

 

ピンと来る人は、これは

プロシージャルなデザインやサンドボックス型のゲーム開発に活かせる

のではないかな?と思いませんか。

 

もう一つ「ボーンスペース」と「協調」について、

 

ボーンスペースとは、人間にはほぼ100(細かく数えれば200)の骨があり、

すべての骨が筋で一つにリンクしている。したがって身体がするあらゆる接触では、

すべての骨と筋は一つのシステムとして動く。ギブソンは骨を中心として

一つのシステムとして挙動する大きな器官、「ボーンスペース(骨格空間)」

とよんだ。

 

またここで出てくるのが、ロシアの生理学者、ニコラス・ベルンシュタインです。

 

memo

※ベルンシュタインの「協調の原理」の図

 

余談ですが、ロシアの近代格闘術、システマもニコラス・ベルンシュタインの考えを

元に生み出されたと言われています。

 


気になった方はこちら↓

ダウンロード

デクステリティ 巧みさとその発達

著:ニコライ・アレクサンドロヴィッチ ベルンシュタイン

https://www.amazon.co.jp//dp/4760828214


 

ここで言われているのは、静止した姿勢を人間がとる時、環境に対して

常に定位を調整し続けている。静止した姿勢の「動き」を取り続けている

ということに気付きます。

 

引用すると、

機械の制御に使われる動きはエンジンの回転を車輪に伝えるシリンダー

の動きのように「押す力」を利用できる。機械の制御のための力は

固いもので押す力なので前もってきちんと値を決めておくことが出来る。

 

しかし、動物のあらゆる筋は柔軟であり「引く力」だけで動いている。

筋は関節を押せない。したがって、機械のように力の値を前もって

決めておいてそれで制御するということはできない。

身体の制御の原型がこのようなものであると考えると、一つの事実が

あきらかになる。

 

それは身体を制御するためには、筋も骨もいつも休み無く動き続けて

いなければならない、ということである。

 

ここでピコーンッと来た人は、HumanIKやゲームのプレイヤーの

ビヘイビア、AI制御、はたまた「不気味の谷」問題に活かせる

のではないかな?と思ったのではないでしょうか。

 

この後、運動生理学とか認知科学に関係するさらに面白い内容が書いてある

のですが、ご紹介はこの辺で。

ゲームの常識を変えたい!と思っている方は、ひょっとしたら新しい世界が拓けますよ!

 

次回はまた実践に戻れればなぁと思います。

それではまた。

 

 

 

 


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