ヘキサ日記 Blog

 

2016年8月3日

羊たちも沈黙

        

夏も本格化する昨今、いかがお過ごしでしょうか。
良い意味でミッツです

 

みなさんは“ソリティア”という言葉をご存知でしょうか?
まぁ、ソリティアといえば、Windowsに最初から入っている
1人用トランプゲームの名前として有名ですが、
(ちなみに私はフリーセルのほうが好きだったりします)
正確には、1人でプレイするゲーム全般を指すジャンル名です。
ボードゲームの多くは多人数で対戦したり協力したりするという
ゲームのほうがメインではありますが、
まれに1人~複数人でもできるゲームもあれば、
完全に1人専用という完全にソリティアなゲームもあるようです。

 

自分はソリティアなボードゲームはあまり所持しておらず、
実際、プレイ経験もさほどありませんでしたが
鑑みればコンピュータゲームの1人プレイだってソリティアかも、
それならば、少しは勉強してみるべきかもしれないと思い立ち、
先日買ったのが、羊を増殖させるゲームシェフィです

 

 20160803_image01
※完全に羊だけを前面に出したシンプルで愛らしいパッケージ
 クラリス、羊たちは叫ぶのをやめたかい?

 

20160803_image02
※プレイするために並べた状態
 ここから、この羊たちをめぐる冒険が始まります 

 


 

【基本ルール】

このゲームでは、プレイヤーは手札にあるイベントカードを
駆使して、盤面にいる1頭の羊をどんどん増やしていきます。
3サイクルという期間内で羊1000頭を目指します
(正確には、羊1000頭という1枚のカードにする)

 

20160803_image03
※ゲームの主人公である羊カードたち。1枚1枚絵が違っており
 スゴイぞーカッコいいぞー!!

 

ゲームを左右するのは当然、手札のイベントカードです。
イベントカードを使うと羊が増えたり、
悪いイベントから羊たちを守ったりします。

 

そしてこのゲームのメカニクスのキモとなっているのは
以下の2点のルールでしょう。

 

 イベントカードには好影響と悪影響のカードがある
 手札のイベントカードは勝手に捨てたりできない

 

つまり、好影響のカードも悪影響のカードも、
基本的には使わないといけない状況になるということです。
おのずと、「じゃあどこで使うのがいいのか」がこのゲームの
理解すべき部分ということになるわけですね。 

20160803_image04
※良くも悪くもゲームの趨勢を握るイベントカード
 時にはその悪しき効果で羊がぜ……ぜん…め…めつめつめつ…。

 

20160803_image05
※シェフィのゲームを左右するード
 時にはその悪しき効果で羊がぜ……ぜん…め…めつめつめつ…。

 


 

【メカニクス】

ゲームのメカニクスを、羊カードとイベントカードという
2つの要素を中心に、短期バランスと長期バランスの
2つの側面への影響という形で自分なりにまとめてみました。

 20160803_image06 

  A:短期バランス
   手札のイベントカードを消費する順番のバランス。
   悪影響のカード効果が練られていて、
   盤面次第で被害を少なくできることがミソであり、
   イベントカードを全部使うために
   「どの順番でイベントカードを使うか計算する力」 
   に短期的な戦略の妙味を持たせています。

   ※調整しそうな部分
    ・悪影響イベントカードの効果と枚数
    ・手札の枚数
    ・イベントカードの総枚数

 

 B:長期バランス
   4サイクルまでに1000頭にするバランス。
   悪影響のイベントカードをただ避けるだけでは
   1000頭に間に合わないようになっています。
   時には、一時的な損害を受けてでも
   羊を爆発的に増やすイベントのコンボを作るという
   「進捗状況と山札の残りで増減量を管理する力」
   に長期的な戦略の妙味を持たせています。
   
   ※調整しそうな部分
    ・好影響イベントカードの効果と枚数
    ・羊カードの種類
    ・サイクル数

 

なお、これは自前で分解した構造に過ぎません
『シェフィ』の開発者が本当にこのような形を踏まえていって
開発と調整をされていたのかはまったく分かりませんので
そのへんはご了承を
ともあれ、プランナーとして新たなゲームをプレイするなら、
やはりそこにあるメカニクスを自分のデザインの糧にしたいし、
自分が開発するならどう調整するか考えておきたいところです。

 

ちなみにこの『シェフィ』ですが、
最近、スマートフォンアプリとしてもリリースされました。
もし、この記事で羊の生態に興味が湧いた方は、
まずこのアプリ版を試しにやってみるというのもいかがでしょう。

 

 シェフィ公式サイト(iOS版/ Android版)


2016年7月8日

またまた謎解き!

        

こんにちは
個人的にスト5熱が上がってきているガッキーです
自分でもわからないですが、最近やる気満々です
コンボもちょっとづつ慣れ始めて楽しくなってきました。

 

それはさておき、今回も謎解きについてのお話です。
前回「リアル脱出ゲーム×ルパン三世 サンマリノ城からの脱出」に行き、失敗しました…
ですので今回はリベンジマッチです

 

今回参加してきた謎解きは
東大サークルが作成した、善人開発計画
京大サークルが作成した、GAME OVERからの脱出の2公演です。
詳細はコチラ

善人開発計画は60分卓上の謎解き
GAME OVERからの脱出
25分探索系の謎解きでした。

内容の詳細については上記のサイトに載っているもの以上お話しできません(無論ネタバレ禁止なので)
どちらも、かなり綿密に作られていました。(すごい)

 

そして結果は…

 

両方脱出成功です
どちらもギリギリまで悩みハラハラしての脱出でした!

 善人開発計画の脱出成功ボードです。

20160708_01

 

 

善人開発計画に関しては、60分の間色々な情報を見直しながら、
役割分担をしっかりとできていたことが成功につながったかと思います。
また、チーム全体の謎解きスピードが上がっていることも要因だと思います。

 

GAME OVERからの脱出に関しては、25分と短かったこともあり、
情報共有をしっかり行い、一つの問題に対して、
その問題を担当しているメンバーだけでなく、
他のチームメンバーにも協力を仰いだことが、
成功の要因だと思います。

 

今回は前回の反省を活かし、
役割分担や、情報共有を中心に行えていたことがよかったかと思います。

 

今回の公演は既に終わってしまっていますが、
また再演があるかもしれません
その際は是非参加してみてください

 

また、他の謎解きにも挑戦してまいりますので、
会場でもしお会いすることがあれば、よろしくお願いいたします

 

それでは、また


        

こんにちは!大阪プランナーのハタウチです。

今回は謎解きゲームの話です。
もしかすると「謎解きゲームって何?」という方がいらっしゃるかもしれません。
そんな方は是非、以前の記事をご一読ください。

 

●リアル恋愛ゲームブック

●ブログ謎

 

さて、私は毎年何か目標を立てて個人的なモノづくりを行っています。
昨年は「オリジナルのボードゲームをつくる」として、社員数人で行っていましたが、
今年の私の社内目標は・・・

 

「オリジナルの謎解きゲームをつくる!」

 

最近は謎解きゲームにハマっており、多いときでは毎週何かに参加していたりします。
はじめは単純に「面白い!」「もっと色々やりたい!」と素直な感想のみだったのですが、
回を重ねるにつれ「すごく上手くつくられている!」「思考の導線がしっかりと構成されている!」
など、作り手側の凄さを感じるようになりました。

 

そうするうちに、自然とクリエイター魂に火が付いてしまい・・・

 

「俺も面白い謎解きゲームがつくりたい!!」

 

という経緯から、今年はオリジナルの謎解きゲームをつくることを目標としました。
手始めに、同じく謎解きゲームにハマっているプログラマの平尾と二人三脚でつくってみました!

今回はその謎をご紹介したいと思います。

 

 


 

 

スライド1

スライド2スライド3スライド6スライド4スライド7スライド5 スライド8スライド10スライド9スライド11

 


 

これは2/3の節分に大阪スタジオで開催したものとなります。
今回ブログ記事にするために、少々内容を調整しています。
制限時間は30分です。是非挑戦みてください。

 

また社内で謎解きゲームを開催したところ、更なる有志が集ったため、

 

ヘキサドライブ謎部

 

なる部活を発足しました!
より精度の高い謎制作を目指して、7月開催用にこちらを鋭意制作中です。

 

海賊島からの脱出_title

 

 

次回のブログで、またこちらもご紹介させて頂きます。

 

 

それではまた。

 

 

 


 

 

 

解説はコチラ

スライド1

スライド2 スライド3 スライド4スライド5 スライド6スライド7スライド8 スライド9 スライド10 スライド11


        

死は生の対極としてではなく、
その一部として存在しているミッツです

 

うららかな昨今の春の陽気、けだるい午後を過ごすのに最適なもの、
そう、それは何をおいてもボードゲームです。
この春から入社した初々しく輝ける新人諸兄に、これから待ち受ける
人生における数々の苦難とか恐怖とか苦難とか恐怖を教えてくれるもの、
そう、それもまたボードゲームです。
人類と動物を分かつものもまたボードゲームですし、
光あるところには、必ず闇とボードゲームがあります。

 

そこで今回は、社内でもプレイして好評だったボードゲームのご紹介と、
そのボードゲームのプレイを通じて、私流のゲームシステム分析などの
手法なんかをお伝えしたいと思います

 

今回、ご紹介するのは「赤ずきんは眠らない」
メルヘンチック&シンプルなルールながら、情報秘匿とジレンマの楽しさを
手軽に楽しむことができるというギャップに富んだ秀作となっています

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※これがパッケージ。童話本の装丁風のボックスが面白い

 


 

【ルール紹介】

このゲームでは参加プレイヤーは3~6人、
1ラウンドごとに各プレイヤーに役割カードが配られます。

 

役割が赤ずきん、親ブタ、子ブタ役の人たちは
 A:オオカミに襲われずに、夜を寝ることができれば点数
 B:オオカミに襲われた時、トラップで撃退できれば点数

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※すべてを悟りきった厭世的赤ずきん嬢。その瞳は何を映しているのか
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※豊富なビタミンB1、B2たち。口内炎予防の強い味方だ

 

役割がオオカミ役の1人は
 C:寝ている人を襲えば、相手の点数を減らして自分に点数
 D:トラップをしかけてる人を襲ってしまうと、自分の点数が減る

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※グルメ系一匹狼。この豚バラ煮込みはできそこないだ、食べられないよ

 

役割カードを全員に配り終わったら、
オオカミ以外の各プレイヤーは、おうちタイルという板を手元に隠しながら
そのタイルを「おやすみなさい」か「トラップ」のどちらかの面を上にして置き、
役割カードでタイルを隠します。

 

彼らにとっては、オオカミが襲ってくるようなら「トラップ」で迎撃したいですし、
オオカミが襲ってこないと読んだら「おやすみなさい」で眠りたいところです。

20160415_image05
※おうちタイル。オオカミを見る赤ずきんの養豚場のブタでもみるかのような目

 

オオカミ役の人は、全員がタイルを伏せ終わったら
プレイヤー1名を襲う対象として指名します。
もちろん、トラップをしかけてる相手を避け、寝ている人を襲いたいところ。
さらに、プレイヤーの現在の点数によって、有効に襲う相手も変わります。

20160415_image06
※全員がタイルを隠したら、いよいよオオカミの出番。トラップの家を避けて襲うことができるのか?

 

襲われたプレイヤーは、伏せていたタイルをオープンします。
「トラップ」なら、オオカミの襲撃は失敗し点数が減り、しかけた側は点数が増えます。
「おやすみなさい」なら、オオカミの襲撃は成功して点数が入り、相手は点数が減ります。
この時、増減する点数は赤ずきんなら3点、親ブタは2点、子ブタは1点です。
つまり役割によってリスクとリターンが違うわけです。

 

上の襲撃の解決が終わったら、他のプレイヤーもおうちタイルをオープンして、
もし「おやすみなさい」を設置していたら、それぞれに点数が入ります。
この時に増える点数も、赤ずきんなら3点、親ブタは2点、子ブタは1点です。

 

最後に食われたプレイヤー、または食いそびれたオオカミ役に役割カードを集め、
そのプレイヤーが役割カードを好きに配って次のラウンドをはじめます。
誰かの点数が10点以上になったら、そのプレイヤーの勝ちです。

 


 

【ゲームの分析】
このゲームはとてもシンプルな仕上がりをしています。
ボードゲームに詳しくないプレイヤーや子供にも薦めやすいですし、
新人ゲームデザイナーが分析をする上でも、分かりやすい教材です。

 

さて、これからプレイしたゲームを分析するわけですが、
ゲームを分析する時、自分が特にやりやすい方法をご紹介しましょう。
それはこういう風に考えることです

 

 「このゲームは
  どんなルールにしたら台無しにできるかなゲヘヘ」

 

なので、これから「赤ずきんは眠らない」を台無しにするつもりで
ここからの分析は進んでいきます。
やっていけばわかりますが、別に悪意をもってそうしているのではなく、
これが実にそのルールであることのありがたみを感じさせてくれるのです

 

《シンプルな管理リソース》
 本作を素晴らしくシンプルにしている一因は、
 各プレイヤーが管理しているリソースが「点数」のみと、少ないこと。
 台無しにするなら、まさにこの少なさが台無しにできるでしょうゲヘヘ。

 

【台無しルール】
 「点数は赤+青+緑の3種類、その中で2色が10点になれば勝ち。
  ラウンドでの得点が何色で入手できるかはランダム」

 

 入る点数が必ずしも勝利に直結しなくなり、
 寝るかトラップか、誰を襲うか、どこに役割カードを配るかという
 本作の魅力であるシンプルなジレンマを台無しにしてやりました!
 20160415_image07
 どっちかというと何色の点数が入るかのランダムを楽しむ感じになってしまい
 本当に楽しんでほしいはずのニヤリとした本作のテーマを隠れてしまいました。

 

《寝るか寝ないかのジレンマ》
 本作の面白さの1つは、寝るかトラップかを選んで隠すこと
 狙うなドキドキ、とか、かかって来いウッシッシ、とかを楽しむ点でしょう。
 よろしい、ならば台無しだ。

【台無しルール】
 「おうちタイルには『おやすみなさい』『トラップ』以外に

  さらに『逃げる』『見逃してもらう』を加える。
  『逃げる』は襲われても襲われなくても0点。
  『見逃してもらう』は襲われないと+1点、襲われると両方に+1点」
 
 ということで、従来の寝るor罠の2大構造にさらに2つ選択肢を加えます。
 すると不思議なことに、本来ジレンマの選択肢はそのまま含有されているにも
 かかわらず、ドキドキとした緊迫感が失われました!

 
 2つしかない従来の選択肢の構造は、「あちら立てればこちら立たず」になり
 正解を選んだなら「正解を選んでやったぞ」という充実感、
 不正解を選んだら「もう片方を選べばよかった~」という後悔感、
 それらがすぐに分かるようになっているのです。
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 その選択肢を4つにしたことで「結局どれが正解だったの?」になってしまい
 その結果、従来のドキドキとした緊張が失われたのです。

 

《役割カードの配り方》
 個人的にこのゲームを良質たらしめていると思うのは、ラウンド終了時に
 負けた人が役割カードを集めて、任意に配るという点です。
 さあ、ここも台無しにしてみましょう。

 

【台無しルール】
 「役割カードは1ヶ所に集めてシャッフル、各自がランダムに引く」

 

 こうすることで、オオカミ役も赤ずきん役になる人もランダムになります。
 つまり、10点に到達できたのが
 「たまたまオオカミ、赤ずきんを引いた時に勝てたから」感になります。
 もともとのルールでは、負けた人が役割カードを配ることで、
 “ちくしょう、負けたけど役割カード配りで、次ラウンドを都合よくしてやる
 のテンションアップを担っていた部分も消えてしまいましたゲヘヘ。
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【総括】
 ということで、「赤ずきんは眠らない」の紹介とゲーム分析でした。
このように、台無し分析をすることで、
そのゲームがそういう形であるありがたみのようなものを感じたり、
このゲームデザイン上でランダム要素は廃してすべてプレイヤーの
選択によって形作っていきたいというポリシーが見えたり、
自分がゲームを作っていくうえでの参考にする点が見えたりします。

 

 ゲームを遊び終わった時など、このようにルールを台無しにしながら
ありがたみを感じるという鬱屈した愛情をそそいでみましょう。
ゲームの攻略方法を考えられるばかりでなく、
遊び手から一歩出て、作り手の領域を垣間見ることもできますし、
ボードゲームに限らずコンシューマからスマートフォン向けまで、
およそどんなゲームを作るうえでも、どういう風にプレイヤーの感情を
コントロールするかを理解する大切な教科書にもなってくれるでしょう。


        

お久しぶりです! 0084です

 

今回は、最近読んだ一風変わった”本”の紹介です

 

タイトルは…

 

リアル恋愛ゲームブック『片想いからの脱出』 です

 

http://www.rittor-music.co.jp/dgamebook/kataomoi/

 

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「よく、わからん?」と思われた方、本の説明を見ると

———————————

「片想いからの脱出」とは?

 

これは、恋愛を擬似体験できるゲームブックです。  「運命の人」と両想いになれるか、
砕け散るか──。  結末がどうなるかは、あなたの謎解き力にかかっています。

———————————

 

これでも、「よく、わからん?」ですよね、この本の魅力を、5行で説明すると

 

 ① 「登校中、門でぶつかった彼女に一目惚れ」で始まるストーリー!(ベタ!)

 

 ② 数人の女の子の中からアタックしていく展開!(とき○モ!)

 

 ③ 本の中だけじゃない! ネットやスマホを使ってのゲームブック!(最先端!)

 

 ④ 本に仕掛けられている、ガクブルもののギミック!(ビックリ!)

 

 ⑤ とにかく手に取れば、一気読み確実!(たぶん…)

 

な感じです

 

 

頭使って! 甘酸っぱくなって! 驚いて!

 

最後に少しキュンと来る…

 

そんな本です!! お時間があれば、ぜひ!


        

こんにちは!大阪プランナーのハタウチです。

 

さあさあ、今回は以前から続けていた

「2015年内にオリジナルのアナログゲームをつくってみよう」の最終回、

~その4:完成編~ をお届けしたいと思います。

(もう2016年を迎えて2ヶ月が経過しており、いまさら感はありますけども。。。)

 

 

ちなみに前回まではコチラ
・2015年内にオリジナルのアナログゲームをつくってみよう ~その1:企画概要編~
・2015年内にオリジナルのアナログゲームをつくってみよう ~その2:プロトタイプ編~
・2015年内にオリジナルのアナログゲームをつくってみよう ~その3:仕様変更編~

 


 

前回の記事にもあるとおり、企画概要からコンセプトを再確認し、
「カード」のみでゲームを構築するべく、ルールを再設定。

 

あーでもない、こーでもないと調整に調整を重ね、、
そして、2015年の暮れにとうとう完成!(ナガカッタ・・・)
それではゲームの概要と、面白い部分を少し紹介したいと思います!

 

 

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【タイトル】
ヘキサクエスト(仮題)

 

【プレイ人数】
2~4人

 

【ゲームの目的】
このゲームは最終ボスを撃破するために
他のプレイヤーと競いあいながら、冒険を進めていくゲームです。

いち早く最終ボスを倒したプレイヤーが勝利となり、
その他のプレイヤーは敗北となります。

 

【コンポーネント】

●フィールド盤

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●カード (合計92枚)

□プレイヤーキャラ:6枚

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□敵:41枚

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□装備アイテム:18枚 / 使いきりアイテム:21枚 / SALE:6枚

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●ダイス (多いほどプレイしやすい)

●プレイヤーコマ (人数分)

●獲得金チップ(1円チップ×60、5円チップ×30、10円チップ×10)

 


 

 

【簡単なゲームの流れ】

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プレイヤーはフィールドの一番左の町からスタートし、右端のボスの砦を目指します。
ゲームはターン性となり、プレイヤーは以下の行動からいずれか1つを行うことができます。

 

 ①ダイスを振ってコマを進める(後ろに戻ることはできない)
 ②町へ戻る
 ③ショップにあるカードを購入する※町にいる場合のみ

 

目的達成のためにどんどんコマを右に進めていき、ボスを倒せばいいのですが、
道中の敵はボスの砦に近づくほど強くなっていき、
初期パラメータのままではまったく歯が立ちません。

 

そのため各プレイヤーは、「今の強さでどこの敵まで倒せるか」を判断し、
時にアイテムを使ったり、運に頼ることで強敵を打ち負かしたり、
また倒されたりを繰り返しながらパラメータを上げ、
他のプレイヤーを出し抜いて、ボスをいち早く倒すことを目指します。

 

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【バトルのルール】

移動してマスに止まると、マス上の敵カードとのバトルが行われます。

バトルは「プレイヤーのパラメータ」と「敵HP」の比較で行われるシンプルな方式です。

 

ただし、キャラによってはダイスによる攻撃力補正があるため、

ダイス目によっては通常で勝てない敵に勝ったり、普段負けないような雑魚的に負けたりするため、

ダイス運が重要になっていきます。

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【パラメータを上昇させるには】

このゲームは、道中の敵を倒したり、ショップでアイテムを購入することで

カードに記されたパラメータをそのまま獲得することができます。

(プレイヤーカードの下に並べていきます)

 

 

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通常のRPGゲームのように「雑魚敵を倒しつつ、経験値やお金を貯めて強くなる」
というルーチンを行うことで、徐々に強い敵に勝利できるようになります。

 

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【一気にパラメータを上昇させる方法】

ボスの砦に近いマスほど強敵が立ちはだかっており、もらえる経験値やお金が多くなります
普通に攻略するためには、一定以上のパラメータが必要となるのですが、
このゲームの特徴として、ひとつ面白いルールを加えています。
それは、「後半の敵HPがダイス目によって決められる」というものです。

 

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このように怖いシルエットの強敵も、ダイス目によっては
「お腹を壊して弱っている残念モンスター」に成り下がる可能性があるのです。

 

またこのダイスは、「対戦相手となる他プレイヤー」が振るルールとなっています。
出目によっては、敵プレイヤーに力を貸してしまう(弱体させてしまう)ことがあるため、
強い目を出せた場合は「オッシャー!、弱い目を出してしまった場合は「オウマイガッ!
といった声が発せられるため、他プレイヤーのバトルといえど気を抜くことはできません!

 

 

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【マスを進むか、一旦戻るか、の選択】
バトルに負けると、経験値がもらえずに町へと戻されてしまいます。
そしてマス移動のルールとして「ダイスで進むか」、「一旦スタートの町に戻るか」の

2つしか選択肢がありません。

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そのため、序盤こそ「敵を倒したら町に戻る」という流れでよいものの、中盤以降で効率の良い成長を考えると、
「先にいる格上モンスターに挑むか否かのジレンマ」が起こり、ダイス移動自体に駆け引きが発生します。
アナログゲームならではの「ダイス運の勝負」が、後半になるにつれてどんどん加速しヒートアップしていきます。

 

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【ショップ開放のタイミング】

フィールド盤の上部はショップの陳列を表します。

これらはゲーム開始時にはクローズされていますが、 プレイヤー達がマスにいる敵を倒すことで、

同Lv帯のショップが開放され、Lvの高いアイテムを購入することができます。

 

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「町で待機しているプレイヤーに購入されるのを覚悟で先に進むか」

「ライバルが開放する事を狙って先に町に帰っておくか」

などの戦略へと繋がり、プレイヤー同士の熱い駆け引きをさらに盛り上げます。

 


 

ざっと、ゲームの面白みを感じるルールを紹介しましたがいかがでしたでしょうか。

まだまだご紹介したい内容がたくさんあるのですが、

イチオシのルールは一通りご紹介できたかと思います。

 

今回、一年間を通してボードゲームをしっかり考えてつくってみましたが、

「やりたいこと」をしっかりと形にする、という事の難しさを再認識すると共に、

モノづくりの確かな面白さも改めて体感することができました。

 

今回作成したものは反省点なども多数あるのですが、

ひとまず「自分達が納得のいくもの」を完成させることができたと感じています。

 

今後も「作り手がしっかり納得のいくモノづくり」を心構えにして、

遊びに、仕事に、趣味に精進していければと思います。

 


 

 

 

 さあ、話は変わって2016年ですが、

ボードゲーム作成が一旦落ち着いたので、今年はどうするのかというと・・・・

 

 

2016年は「謎解きゲーム」をつくります!!!

 

 

 

というか、もうつくって社内でやってみました!!!

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こちらに関しては次回のブログにてご紹介できればと思います。
それではまた!

 


        

こんにちは!大阪プランナーのハタウチです。
今年も11月中旬となり、年の終わりが徐々に近づいて参りました。

 

以前までのブログでもお伝えしていましたが、
今年中にオリジナルのアナログゲーム作成を目標にしています。
そこで今回も引き続き、「その3:仕様変更編」をお届けしたいと思います!

 

ちなみに、前回まではコチラ
2015年内にオリジナルのアナログゲームをつくってみよう ~その1:企画概要編~
2015年内にオリジナルのアナログゲームをつくってみよう ~その2:プロトタイプ編~

 


 

【その1:コンセプトチェック】
20151118_1_01
さて、前回にゲームの流れを一通りまとめましたが、
改めて作成したプロトタイプをプレイしつつ、確認するべき点を思い返します。
それはすなわち「コンセプト」
はじめに立てた企画の核となる点ですね。

 

ここで改めて、今回立てていたコンセプトを確認しつつ、現状の状況を確認してみます。
 20151118_1_02 

 

 RPGの要素を入れたい!
  →マップパーツにRPG要素の世界観が入っている。
   しかしバトル箇所にはあまり落としこめていない。
   あと、なんか人生ゲームみたいだし。。。
 
 拡張性のあるものにしたい!
  →手札カード、マップパーツ、コマなど様々なものを拡張可能。
   ただしコンポーネントがやや多めに感じる。
  
 毎回異なる戦略性を楽しみたい!
  →マップパーツによって生み出される戦略の違いは大きい。
   ただしバトル自体はそこまで異なる戦略性が出ていないように感じる。
  
ああ、なんということでしょう。。。
前回あれだけ四苦八苦して考えたゲーム内容でしたが、しっかりとコンセプトを落とし込めていないようです。
このまま肉付けをしたとしても、思っていたようなゲームに仕上がりません。

 

悲しくはありますが、ここで妥協しては良いゲームにならないと信じて・・・
改めてコンセプトに基づいてゲームを再構築することにしました。

 

「仕様を一部変更する!」

 

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【その2:方向性の再設定】
20151118_2_01
まず現在の中で中核を担うのは「マップパーツ」の存在です。
マップパーツを用いることで、各コンセプトを達成している形となっています。
そのため、極論を言えば「マップパーツのみでゲームを構成」したいところです。

 

・・・無理。思いつかない。

 

色々検討を行いましたが、
「マップパーツのみ」で全てのコンセプトを踏襲したゲームは
我々では難易度が高いようです。

 

やむを得ず思考を切り替えます。
「マップパーツでダメなのであれば、何ならできる?」
「さすがにコマだけは難しいよね。」
「ではベタにカードのみで構成してみる?」

 

そんなこんなで「カードのみ」でゲームコンセプトを達成する方法を検討してみます。

 

 RPGの要素を入れたい!
  →カード内容にRPGの世界観を入れる。
  →プレイヤー職業、モンスター、アイテムなども全てカードにする
  →経験値やお金などの細かなシステム数値は、カード以外のコンポーネントで別出しする。
 
 拡張性のあるものにしたい!
  →基本のコンポーネントはカードで作成される
  →カードのみでゲームが構成されるので、カードを変更するとゲームが変わる
  →拡張性は問題なさそう。
 
 毎回異なる戦略性を楽しみたい!
  →プレイヤーに職業概念を入れて、毎プレイごとでロールプレイを楽しめる形にする
  →RPGらしく、出現するモンスターにランダム性のあるシステムにする。
  →「経験値を積み立ててパラメータを上昇させる」、「アイテムを利用する」、「装備を整える」
  などのRPGの戦略性をそのまま利用できるシステムにする。
  
うん、何とかなりそうです!
そこで「カードのみ」でゲームを構築してみることにしました。

 

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【その3:ゲーム基礎再構築】
ここからは相談とトライ&エラーの繰り返し。
キットをつくっては「あーでもない」「こーでもない」
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つくりなおして、また「あーでもない」「こーでもない」
 20151118_3_02

 

 

新規のアイディア出しはもちろんですが、既存のゲームに触発されたりも。
ちなみに今回触発されたゲームは「Splendor 宝石の煌き」です。

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カードに描かれている宝石は「何回でも使える」点が良い感じにインフレ感を生み出しており、
コンポーネントの形式もとても上手くつくられている所が特徴です。

 


 

そんなこんなで数日間作り続けた結果、なんとかプロトタイプ2の作成が完了しました!

20151118_4_0120131203_separater20131203_separater

20151118_4_02 20151118_4_03

 

 

ほらほら!なんとなく面白そうな雰囲気しませんか?!
(今回はカードだけを自作し、他に必要なチップやコマは別ゲームのモノを間借りして使いました。)

 

それではとうとう次回は~その4:完成編~です。
今回割愛したゲームルールを含めてご紹介したいと思います。
それでは!!


2015年11月12日

ハノイの塔

        

こんにちは
ビッシーです

 

先月の社員研修旅行で四日市市をフィールドワークしていた際、
懐かしい雰囲気のおもちゃ屋さんを見かけたので立ち寄らせて頂きました

 

アレコレ懐かしのおもちゃが見つかり、
お宝の山をドキドキしながら眺めていたのですが・・・

 

 

懐かしのゲーム「ハノイの塔」を見つけました
(そして衝動買いしてしまいました…)

 

 

20151112_photo_001

 

 

 

ハノイの塔は、
3本の柱と大きさの違う円盤の山があり、
円盤を全て隣の柱に動かすというシンプルなゲームです。

 

 

20151112_photo_002

 

 

ただし、円盤を動かすにはルールがあります。

 

1. 必ず一度に一枚ずつ動かすこと

 

2. 自分より小さい円盤の上に大きい円盤を置かないこと

 

この2つのルールを守りながら、
最初にあった円盤の山を隣の柱に移動できたらゲームクリアです。

 

 

一見すると、たった8枚の円盤を隣に動かすだけなので
すぐに終わりそうに見えますが、
実は最低でも 255回 も円盤を動かさないとゲームクリア出来ないのです

 

 

さらにこの手数は円盤が増えれば増えるほど、

爆発的に増えていきます

 

 

64枚の円盤になると、
何と最低 18,446,744,073,709,551,615 回 
円盤を動かさないとゲームクリアできません

 

(1枚1秒で動かせたとしても、とんでもない時間がかかります)

 

このハノイの塔は計算機科学的に楽しい特徴があるため、
計算機科学の基礎課程で、例題としてよく取り上げられます。

 

 

特徴①
 解き方が再帰的アルゴリズムになっている

 

 

N枚の円盤の山を「隣の柱」に動かすには、
まずN-1枚の円盤の山を「隣の隣の柱」に動かして、
一番大きな円盤を「隣の柱」に動かして、
「隣の隣の柱」にあるN-1枚の円盤の山を「隣の柱」に戻します。

 

N-1枚の円盤の山を「隣の柱」に動かすには、
まず、、、

 

と手順が入れ子のようになります。

 

 

 

特徴②
 入力サイズ(円盤の枚数)に応じて、
 計算量が指数関数的に増加する例題として分かりやすい

 

 

・円盤が1枚のときは、
 「隣の柱」に移動するだけなので手数は1で済みます
・円盤がN枚のときは、
 (「N-1枚の円盤を動かす手数」+ 1回 +「N-1枚の円盤を動かす手数」)回 だけ移動させる必要があります

 

「N枚の円盤を動かすための手数」をH(N)という漸化式で表すと、

 

   H(1) = 1
   H(n) = H(n-1) + 1 + H(n-1) (n > 1のとき)

 

と表せます。

 

両辺に1を足して、
   H(n) + 1 = 2 * (H(n-1) + 1) (n > 1のとき)

 

H(n) + 1」が等比なので、
   H(n) + 1 = 2n

 

定数項を移動して、
   H(n) = 2n – 1

 

となり、
「N枚の円盤を動かすための手数」は「2のN乗引く1」だと判明します

 

 

 

 

プログラムを書く上でも計算量は大事な要素になります。

 

 

計算量が大きいアルゴリズムだと、

データ量が少ないうちは問題なく動いていたプログラムが、
いざ本番サイズのデータを入力してみると、
いつまで経っても終わらなかったり、
メモリが全く足りなくなってしまったりしてしまいます。

 

 

検索・マッチング・ソートなどプログラムを書く上で良く使うアルゴリズムには、
計算量がどうなのか必ず問題がついて回るので、
実際どの程度の計算量なのか計算することが重要です。

 

 

 

それでは


        

すっかり気温も下がり、秋がやってきているのをしみじみ感じつつ、
MGSⅤが手に入らないと嘆く今日この頃です

 

こんにちは。テララです

 

秋になって飲み会が増えました
夏もそんなこと言ってなかったっけとか指摘してはいけないです。
過去は振り返らないほうが幸せなのです。

 

さて、先日、友達と軽く飲みにでかけた際、
アナログゲームをやろうという流れになりました。
飲み屋でアナログゲーム……さて、どのゲームをやるか。
少なくとも下記5点を満たしたゲームじゃないといけません。

 

1、場所をとらない (テーブルはつまみと酒でスペースがあまりない!)
2、紙媒体に何度も触れない (酒のグラスを持った手で動かす!)
3、短時間で遊べる (1時間以上かかるものは微妙……)
4、つまみながら遊べる (手が離せないゲームはちょっと……)
5、ルールが分かりやすくて簡単 (ルール説明に時間がかかるものは……)

 

そこで私たちが選んだゲームが……

会社でも大流行したこともある、あのアナログゲーム

「ガイスター」

 attachment00

 

 

 

==================================

簡単なルール説明

 

幽霊の形をしたコマを盤上操作して戦う、二人プレイ専用のゲームです。

 

幽霊には二種類あり、
青の幽霊が良い幽霊赤の幽霊が悪い幽霊となります。

 

二人のプレイヤーはゲーム開始時、

それぞれ良い幽霊悪い幽霊を4体づつ所持しています。

どれが良い幽霊で、どれが悪い幽霊か分からないように、
色の付いている面を自分に向けて、盤上に設置します。

 

初期配置はこんな感じ↓

attachment01

 

 

 

幽霊は四角く区切られた盤上のマスを、

1歩づつ上下左右に進むことができます。

 

幽霊は1マスに1体しか置くことができません。
自分の幽霊の進みたいマスに、敵の幽霊がいた場合は、
その幽霊を取って盤上から退けて進みます

 

ゲームの勝利条件は3種類あります。

1、相手の4体の良い幽霊を全て取る
2、相手の側にあるゴール地点から良い幽霊をゴールさせる
3、自分の4体の悪い幽霊を全て相手に取らせる

=================================

 

ルールは以上!

「ガイスター」というゲームがいかに素晴らしいかは今回は省略しますが、
やって楽しい見て楽しい奥深いゲームですので飲んでなくてもオススメですよ!

 

この分かりやすいルールで短時間で何度も遊べることで、
友達とも、飲み屋のあんちゃんとも とても盛り上がりました。

 

もちろんほろ酔ってるので少しおかしな事もしましたが

 

1列に四体の幽霊を並べて「ドラ○エ攻撃!」とか(負けました)
左右に同じように幽霊を並べて「シンメトリー攻撃!」とか(負けました)

 

それがまた面白かったりするのです

 

大人になると、なかなか、
友達とひたすらアナログゲームをして遊ぶなんてことはなくなってしまいます。
しかしこういった大人ならではの遊び方もありなのではないでしょうか

 

みなさんもお酒のつまみにアナログゲームはいかがですか。
それでは

 


        

今は昔、竹取のプランナーといふ者ありけり
名をば、ミッツとなむ言ひけます

 

当ブログでは3月5日からの5ヵ月半で
 
『ゲームデザインができるまで…』
 『ゲームデザインができるまで…(死闘編)』
と記事を重ねて、オリジナルのトランプゲームができるまでの不恰好な
紆余曲折を掲載してきましたが、今回で最終回です
はたして、オリジナルのトランプゲームは完成を見たのでしょうか?
はたまた打ち切り連載の憂き目となったのでしょうか?
2時間の思いつきから始まったゲームデザインもいよいよ佳境。
では、前回の流れから開発を続けてまいります。

 


 

【第1章:意見分析】

前回と同様、ポジネガの色んな意見を大別していきます。
基本的にはこの積み重ねと切り捨ての繰り返しでゲームを完成に向けます。
自分の入れたいアイデアを考えついても、終盤間際はぐっとこらえます
(その理由は後ほど説明します)

 

ゲーム様式
 ×偶数人でしかプレイできないなど、人数制限がシビア
 
カード
 序盤の手札の伏せ方を考えるのが楽しい
 ×結局、表になっているカードを使っていくようになりやすい 

推移
 序盤の手札の伏せ方を考えるのが楽しい
 ×手札と場札の状態で、負け確定の試合になることが多い
 ×終盤が確定的で盛り上がらない
 ×勝敗がギリギリになることが少ない 

勝敗
 ×盤面を6角形に並べる意味がなくなった
 集計がやりやすくなった 
 


 

【第2章:終盤の注意】

完成間近の進行では、改訂について1つ注意しなければいけません。
それは、細かい調整ばかりが続く泥沼状態に陥らないようにすることです
そのために、自分は開発終盤では以下の点に気をつけています。

 

鉄則その1
 完成させること
  当然のことですが、完成しないゲームは大きく価値を失います。
  人は作品を愛するほどに、「完成」より「完璧」を目指したくなるものです。
  だからあえて完璧を作るより、未完成を避けることに重きをおくべきです。
  このオリジナルトランプゲームの開発記事を、あえて全3部作と銘打って
  今回を最終回とするのもそのためです。
  もう一度コンセプトを見返し、それをしっかり満たしているのであれば、
  踏ん切りをつけて、コンセプト外の欠点を見逃すことも必要な決断です。

 

鉄則2
 弱いものを強化する調整はおこなわないこと
  終盤になると細かい調整が随所に入ることもあるでしょう。
  強すぎるもの、弱すぎるものなどが並ぶことになりますが、終盤になった時と、
  弱すぎるものは放置することが大切になります。
  強化調整すれば全体バランスの見直しまで手戻りが発生し、最悪エンドレスな
  泥沼状態や、完成形がかえって見えなくなることもあるのです。
  強すぎる要素はゲーム全体を破壊するリスクを持つために弱体化が必要ですが
  弱すぎる要素はゲーム上で無価値なだけ、終盤は放置する判断も考えます。

 

 

 【第3章:最後の改訂】

問題点として、改訂の焦点を当てたのは【推移】にあがっている3つ、
そして、コンセプトを壊してしまっている【勝敗】の1つ、合計4つです。
 ×手札と場札の状態で、負け確定の試合になることが多い
 ×終盤が確定的で盛り上がらない
 ×勝敗がギリギリになることが少ない 
 ×盤面を6角形に並べる意味がなくなった

 

問題点A:推移
 まずは【推移】。色んな方法を試しましたが、これまでのルールである
 12手のゲームでは、推移の問題3つすべて解決は困難と結論しました。
 しかし、逆に言えば12手ではないゲームなら解消可能でしょう。
 「盤面の4枚制限が、どっちが先に置くかの良いジレンマを生んでいる」という
 好評だった点を消してしまいますが、それでもゲームの戦略スパンを長くする
 ようにルール変更することに決めます。
 推移の3つの問題は総じて、12手の選択肢が終盤に向かって戦略の選択幅を
 集約させる方向であることに原因があります。
 そこで、戦略の選択幅を一定化させるルールを導入するわけです。
 では、改訂をする場所というのは、

 ■BEFORE
 ————————————————————————————
  ・全プレイヤーの手札がなくなったら、ゲームは終了します。
 ————————————————————————————
 具体的には、試合の終了までのルールであった上記ルールを変更し
 以下のとおりにしました。

 ■AFTER
 ————————————————————————————
  ・手番を終了したら山札からカードを手札に補充する
  ・双方が手札を破棄してパスするか、山札からJOKERを引いたらゲーム終了
 ————————————————————————————
 これにより手札は常に補充され、以前と違って終盤に向けて選択肢が集約する
 ことがなくなって、終盤が確定的ではなくなっていくと思われます。

 

問題点B:勝敗
 勝敗の問題点は明確に1つ、「6角形配置にどんな意味を持たせるか」です。
 カードを置く盤面を頂点にして線を引いても分かるように、この配置に意味を
 持たせるには、配置カード間で関係を作るしかありません。

20150825_image03

 山札が中央に来る位置上、黄のラインはユーザーに分かりにくいでしょうし、
 3ヶ所+3ヶ所を対に並べるのと差がないため、却下です
 赤ラインはどちらも頂点1つから2方向にラインを伸ばしています。
 なら、どちらを採択しても同じだけの戦略幅だろう、
 ということで見やすさをとって、赤ラインをゲームに活用することにします。
 では、どこを改訂するのかというと…

 ■BEFORE
 ———————————————————————————–
  集計はプレイヤーが交互に盤面1つずつ処理。
  交互に自陣営の支配する盤面1つのカードを手元へ入手する
  手元の貴族(絵札)が3枚以上になった時点で勝利
  手元の市民(数札)が7枚以上になった時点で勝利
 ———————————————————————————–

 まずは、残念ですが前回改訂した、上記の勝敗判定を破棄します
 かわりに隣接の頂点同士に意味を持たせるよう、以下の勝利判定を入れます。 

 ■AFTER
 ————————————————————————————
  ゲーム終了時、4つ以上の連なった支配盤面を作った側が勝利
  上記を誰も満たさない場合、一番多い枚数の支配盤面を持つ側が勝利
  上記を誰も満たさない場合、最後にパスした側、JOKERを引いた側が敗北
 ————————————————————————————

 これにより、絵札の意義はかなり少なくなりましたが、推移の側の問題でも
 手札と場札によって試合が確定的になりやすいとの指摘はあったので、
 絵札に数字以上の優位性を持たせる必要はないと考えます。
 もしも、それがテストプレイでネックになった時は、番目の勝利条件に
 絵札関連の要素を
加えるだけでも解消可能でしょう。

 

では、これらのルール改訂をおこなったところで最後のテストプレイです。
上記の4つの問題点が解消されていて、なおかつコンセプトに対する問題が
発生していないか、ここを重点的にチェックします。

 20150825_image04

テスト風景、どこが盛り上がりどころで、どこで悩んでいるかを要チェック!

20150825_image05

テストプレイ全敗のテルマエ。脳筋との自負に恥じるところない戦果

 


 

【最終章:ヘキサトライブ完成】

こうして最終的に、6つの氏族が議決を争う『ヘキサトライブ』が完成しました。
一番最初の頃のゲーム性と大きく変わっている点もありますが、
全体的に、コンセプトを崩さずに、実行することのシンプルさに比べて、
かなり駆け引きの高めなゲームができたと思います
 
もし、トランプを1セットお持ちの時には、ぜひ1回プレイしてみてください。
自分と相手の手札、それぞれどのような手札かを推測しながら、
お互いのカードの並べ方、氏族支配の駆け引きを楽しめることでしょう

 

 

 

【ヘキサトライブ:ルール説明】

 

■コンセプト
 ・ご家庭にあるトランプ1セットのみでできるお手軽さ
 ・六角形のイメージを使う
 ・パーティーゲームより、ジレンマと駆け引きを高めなコアゲームを目指す
 ・実行することはシンプルに1つ。だけど戦略の創発性は高く
 ・偶然よりも、選択が与える必然のほうにゲームの重きを置く
 ・加算以外の面倒な計算をしない(減乗除がない)、桁上がりもない

 

■ルール説明
 このゲームは6つの氏族が円卓を囲んで議決を争う中、過半数を占めるべく
 自分の陣営側につくように氏族の支配を目指すゲームです。 

 

▼人数/道具
 2、4、トランプ1セット(A~K札+Joker2枚=54枚)

 

▼準備
 トランプからJOKER2枚を除いてをシャッフルして山札を作り、ジャンケンの勝者は
 自分を赤か黒陣営かを決めます。そこから時計回りに交互に赤、黒陣営になります。
 次に、各プレイヤーに、山札から手札を6枚配ります。
 各プレイヤーは手札6枚のうち3枚を伏せ、3枚を表にして自分の前に並べます。
 次に、山札からカード6枚を、中央に6角形になるよう表向きに配置します。
 この6ヶ所を氏族と呼びます。
 最後に山札にJOKER2枚を加えてシャッフルし、この山札を中央に配置します。
 これでゲーム準備は完了です。

 20150825_image01

 

  ※準備が終わった状態、氏族同士ぶつからない程度に距離を開けます

 

▼勝利条件
 ゲーム終了時に4つ以上の連なった支配氏族を作っていた陣営が勝利します。
 カードを配置し、6角形に配置されたどの氏族を支配するかが勝負のカギです。
 

▼手番の処理
 手番は、さきほどのジャンケンの勝者から時計回りに進行します。
 手番プレイヤーは、自分か、自分の左隣のプレイヤーの手札から
 1枚を選んで(裏向きなら裏のまま選びます)、
 そのカードを、氏族の1ヶ所へ上に重ねるように配置します。

 カード配置が終えたら、空いた手札には、山札からカードを補充します。
 使用したのが表向きカードなら表向きで、使ったのが裏向きカードなら裏向きで
 補充されますが、ただし自分の手札を使った場合は、必ず表向きに補充します。
 また、どこに補充したかはきちんと分かるようにしましょう。
 補充後、手番を終了して、次のプレイヤーの手番に回ります。
 もし、ここで山札から1枚目のJOKERを引いた場合、JOKERは脇に除け、もう1枚を
 引きます。2枚目のJOKERが引かれた場合、ただちにゲームは終了します。 

 

 【昇順/降順ルール】
  2枚以上重なっている氏族に関し、その最新の2枚が「昇順」か「降順」の
  並びになっている場合は、その昇順、降順に従わなくてはなりません。
  例えば「赤の5」の上に「黒のQ」がある場合、Q以上、つまりQかKしか配置できず、
  逆に「黒の7」の上に「黒の3」がある場合、3以下、3か2かAしか配置できません。

 

 【逆順ルール】
  例外的に、同じ数字が並んだ場合は、この昇順⇔降順が逆転します。
  それまで「赤の5」「赤の7」「黒の7」と並ぶ場合、次は7以下しか配置できません。
  昇順降順が決まってない氏族に同じ数字を重ねた場合、決まってない状態のままです。

 

 【パス】
  手札から引いたカードがまったく配置できない場合、そのカードを開示して、自分が
  配置できないことを全員に見せ、そのカードを破棄して手番をパス(終了)します。
  パスの後は、通常どおりに山札から空いた手札にカードを補充します。 

20150825_image02

  ※氏族に配置していく様子、重ねる時は下のカードも見えるように置きます

 

▼ゲームの終了
 山札から2枚目のJOKERが引かれたら、ゲームは終了します。
 また、参加者全員がパスして一巡した場合も、ゲームは終了します。
 そして以下の条件に従って、勝利の陣営を判定します。
  ゲーム終了時、4つ以上の連なった支配盤面を作った側が勝利
  上記を誰も満たさない場合、一番多い枚数の支配盤面を持つ側が勝利
  上記を誰も満たさない場合、最後にパスした側、JOKERを引いた側が敗北

 


 

以上、オリジナルカードゲーム制作にまつわる5ヵ月半の顛末になります
いやはや、思えば遠くへ来たもんだ。
テストプレイヤーのプランナーからは
  ・ちょっとしたルールの追加でゲームの印象が大きく変わった
  ・いくつかのルール上の制限がむしろ、よい形に戦略性を広げていた
  ・伏せカードが使いどころの難しいキーカードとして機能している
  ・形勢逆転の可能性が常に発生するようになった
  ・異なる2種類の勝利条件によって、意外な勝敗を決するようになった
など、本作がゲームとして機能していることを踏まえた感想ももらえました。
これらの感想も含め、一番最初の時になぜそれは実現されなかったのかを
振り返ったりして、自分のゲームデザインの流れを一々確認しておくと、
自分流の作り方のようなものを理解でき、得意不得意などが分かってきて
次の作り方に向けての糧や、自分の流儀に一本スジを作りやすくなります

 

ところで、本記事で触れてますが、完成にこぎつけたこと自体がとても重要です
ゲームデザインは、完成した10種類を並べても、まぁ8種くらいは駄作なもの
それでも、1つでも多く完成させることで、燦然と輝く1種類のゲームデザインが
生まれる確率をあげることがゲームデザイナーの努力というものです
それは、未完成品を100種類ほど構想するよりはるかに有用な失敗です。
上述のような、自分の流儀を見出すのにも、まずは完成ありきなものです

 

どうか、みなさんも構想にあるゲームはぜひ完成に向けて奮闘してみてください。
これまでの記事のように、明確なコンセプトを立て、明確なルール改訂を重ねて
できあがる失敗作なら、多くの実りある経験を与えてくれるはずです


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