グラフィックデザイナーのナカノです。
質感の表現技術が向上して、カラーマップ一枚に全ての情報を描く時代から、
現在では物理に基づき質感を再現するという時代になりました。
リアルタイムで表現する肌や金属等の質感は、フォトリアルな
プリレンダー同等に近しい表現が可能になってきています。
グラフィックを作成する技術やツールの向上も飛躍的に進展しています。
ツールの機能まかせでも、そこそこの質感を表現できるようになりました。
しかしながら何もかもがプロシージャルに生成された情報ばかりだと、
やはり見た目の印象として物足りなさが残ります。
見た目の中に人為的な意図を感じる要素がないと、何を訴えているのか、
が伝わり難いのです。
質感の表現についても、画像の参照だけで再現しようとしても、
なかなか納得できる結果に至れません。
その理由として自分の中で気づいたのは、
・自身が現実世界の本物を目の当たりにしていない
・そのものを触った事がない
特に「自分の手で触れてみる」という事は大事だと思います。
月並みですが、例えば、
①鮫の肌
実際に触ってみると、ザラザラしているという言葉での理解以上の
触感での理解を得る事ができました。
そらぁワサビもおろせますわなぁ、って感覚での理解って感じです。
②ヘビ
触ってみると、
・冷たいんか思ってたけど実際は何か生ぬるい(周囲の温度による)
・ヘビが気を抜いている時は思ってたより柔らかい
・表面はうっすらヌルッとした感触がある
といった印象です。
③そして先日に引き続きウンチ!
↑、すみません冗談です。
何か、昨日のブログに乗っかってみたかったのです。
けど、実際に自分が子供の頃に犬のウンチを握り潰しその拳を高々と
掲げて親に歩み寄った事はあったそうです。
残念な事ではありますが、その時の感触をもう思い出す事は
できません。覚えていないですから。
つまり、フォトリアルなリアルタイムウンチモデルを作成する自信は、
残念ながらありません。これから触る気にもなれませんし。
③はともかく、
実際にその物に触れて、その触れた感触を質感に反映する、
という事はとても大事な意識だと思います。
画像を参照すれば、ある程度の質感は察しがつきますが、
表現する質感の「触感」を制作者が携えておくのは、とても大事な事です。
いつもオモイツキな内容で恐縮ではございますが失礼いたします。
それではまたお目にかかりましょう。