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HEXA BLOG

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HEXA BLOGCG2019.8.1

白・黒・黄???

こんにちは大阪キャラクターアーティストの清水です。

今回はキャラクターモデリング、特にリアルな人物モデルを作る時に知ってると役立つ
「人種」の話です。

そもそも「人種」って何なのさ?
よく耳にする「白色人種(白人)」・「黒色人種(黒人)」・「黄色人種」と言う分類の仕方があります。

白色人種、又はコーカソイド
黒色人種、又はネグロイド
黄色人種、又はモンゴロイド

とも言いますね。

この、肌の色での人の分類方は、もともと宗教的(キリスト教的)な観点から見たもので、
学説史的にはヨハン・フリードリッヒ・ブルーメンバッハと言うドイツの医師が1775年の論文で

コーカシア(白色人種)
エチオピカ(黒色人種)
モンゴリカ(黄色人種)
アメリカナ(赤色人種)
マライカ (茶色人種)

の5種類に分類した事が発端の様です。

コーカシア=コーカソイド、つまり白色人種です。
これはコーサス地方の人々・その子孫と言う意味です。
旧約聖書で「ノアの箱舟」がたどり着いたのがコーカサス地方だったそうで、

ヨーロッパの人々は自分達を

「ノアの箱舟でコーカサス地方に辿り着いた人々の子孫で、善である白い人」

としてコーカソイドと定義し、

「コーカサス出身の白い肌の人々」が最も美しくすべての人間集団の基本形である

と言う様な発想から来ている概念です。
白色人種とそれ以外の有色人種と言う構図になっており、有色人種は白色人種から退化した種であると言う差別的な意図がありました。

この5種の分類から次第にコーカソイド・ネグロイド・モンゴロイドの3大人種と言う分類の仕方が主流になって行く様です。

しかしこの「肌の色」での分類は、現在一般的な「遺伝的な系統」での人種分類とは異なります。

例えばスペインやポルトガルのヨーロッパ人で褐色の人々やインドの人々・アラブの人々等、顔立ち等はヨーロッパ人の様でも肌の色が
「白」では無い人々は3大人種的分類ではネグロイドかモンゴロイドのいわゆる
「有色人種」に分類される気がしますが現在の分類では、

スペイン人、インド人、アラブ諸国の人々もコーカソイドに分類されるケースが多い様です。
(地域にもよったり個別の事例で違います)

アフリカを出た人類のグループはまずアラブ地域に移動し、その後アジア方面やヨーロッパ方面に分岐していっているので、ヨーロッパ人はむしろアラブ諸国の人々の子孫と言える様です。

肌の色の濃さはメラニンの量によって決定され、それは遺伝的要因の他に環境的要にも影響をうけると言われており、一概に肌の色で人種を分類はできないのです。

さらに、20世紀後半にはコーカソイド・ネグロイド・モンゴロイドの3種に、もともとはモンゴロイドに含めていたオーストラロイド(東南アジアから南アジアにかけての地域に分布する人種・アボリジニ等)を分離し、加えた

コーカソイド
ネグロイド
モンゴロイド
オーストラロイド

とする4大人種が定説とされた様です。

さらにさらに、ネグロイドをコンゴイドカポイド(南部アフリカに分布する人種・コイサン人種等)に分け

コーカソイド
コンゴイド
カポイド
モンゴロイド
オーストラロイド

とする5大人種と言う様な分類の仕方や、モンゴロイドをアメリンド(アメリカ先住民)アイノイド(アイヌ)と分ける分類などが有ります。

現在の分類ではではコーカソイド=白色人種
と言う概念ではないですが、それでもこの5種類だけでは分類するのが難しい事は容易に想像できるかと思います。

アフリカで人類が発祥して以来数万年にかけて移動・分岐を繰り返すうちに亜種が生れ多様化していき、また混じり合うと言う様に様々な地域で混血していっているので
もはや簡単に分類出来ないほどに多様化、複雑化しているかと思われます。

モンゴロイドには「新モンゴロイド」「古モンゴロイド」と言う分け方があり
日本で、俗に言う「縄文系」「弥生系」と言うやつです。

古モンゴロイドがいわゆる縄文系で、アイノイド等は古モンゴロイドのグループに属します。
新モンゴロイドは寒冷地に適用するための変化したモンゴロイドとされ、進化の程度が新旧と言う意味では無いみたいですね。

新モンゴロイドの特徴の一つは切れ長の一重まぶたで、寒さから眼球を保護するために分厚い皮下脂肪に覆われているためとされます。
またそれにともない蒙古襞と言う新モンゴロイドの特徴的な形質がみられます。目頭にある膜ですね。(コーカソイドやネグロイド等と比較して、目が小さく細く見える要因になります。)
さらに寒さによる凍傷を防ぐため鼻や顎等があまり出ていません。
これが欧米から見てアジア(主に極東)人がいわゆる「凹凸の無い平べったい顔」と言われる要因です。

日本に住む大勢はいわゆるモンゴロイドですが日本人は「古モンゴロイド」と「新モンゴロイド」の混血だと言う説が有力で、沖縄やアイヌの様に濃い顔立ちの人々や、弥生系とされる薄い顔立ちの人々、その中間くらいの人々が入り混じっているのです。

この様に、人種の分類は安易にはできないですが、遺伝的な系統で顔の特色と言うのは現れてきます。
コーカソイドの系統の人々はネグロイドやモンゴロイド等に比べ彫りが深く、顎の突出も大きく立体的な顔である傾向が強いですし、まぶたはほぼ全員二重だそうで、その構造も日本人に見られる二重とは根本的に違います。

ネグロイドは鼻の突出は少なく幅広で唇が厚い傾向にあったりします。コンゴイドはいわゆる私たちが思い浮かべるネグロイドですが、カポイドはどことなくモンゴロイドにも似た顔立ちをしています。

オーストラロイドは肌の色こそネグロイドの様に濃く似た感じの容姿ですが、遺伝的系統ではコーカソイド、あるいはモンゴロイドから分岐した様で、ネグロイドとは別の分類です。

CGでリアルな人物モデルを作成したいと思った時、この様な遺伝的系統の特徴と言うものを考えてモデリングするとそれっぽくなります。

リアルな日本人(モンゴロイド)キャラクターを作成する場合、日本人(モンゴロイド)的特徴を完全に無視した様な顔の造りでは日本人に見えないのです。
特に日本人は漫画・アニメ等のデフォルメされた物を好む傾向にあるため、人種の遺伝的系統を反映させた様なリアルな人物モデルを作るのが少し苦手ではないでしょうか。

さて、この「人種」と言うものですが

「人種は社会的な概念であって主に歴史的な事実に由来し、生物学的な根拠は全くない」
「今日、多くの科学者が、私たち人間を区別するのは文化的な違いであって、人種的な違いではないという見解を示すようになってきた」

と言うのが近年での考え方の様です。
私たち現生人類は生物学上「ホモ・サピエンス」の1種しかないと言うのが科学者の定説です。
肌の色の違い等は遺伝子レベルではほんの些細な違いでしか無いそうな。

そして、アフリカで発祥した人類は、アフリカに留まったグループと世界各地に移動していったグループがあるわけですが近年の研究で
アフリカに留まったグループ以外のグループに「ネアンデルタール人」「デニソワ人」といった現生人類の先祖である「ホモ・サピエンス」以外の種の遺伝子が含まれているのが分かってきたそうです。

とまあこんな事を書いていますが、学者として研究しているわけでも無いので詳しい事は分からないですが、もっとじっくり研究してみると面白そうですねぇ。ロマンが有ります。
人類のルーツや世界中の現生人類の特徴や分布など調べだしたらきっと面白いです

そういう事を頭にいれてキャラクターを作成すると一味違った物が作れるのではないかと思います。
皆さんも一流のキャラクターモデラーを目指して是非研究してみてはいかがでしょうか?

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