HEXA BLOG

いいモノづくり道

HEXA BLOGいいモノづくり道2019.9.17

キャラクター調整沼の歩き方

柿くへば 鐘が鳴るなり ミッツです🍷

今年の東京ゲームショーも終わり、新作タイトルのPVとかずらりと出ました。
もはや、この時期の風物詩のようなものですね。
煌びやかで豪華なPVには、これまた魅力的なキャラクターたちがそろって、
数あるキャラクターから自分好みの使いたいキャラクターを探して期待に胸を
躍らせるのも、楽しいゲームの一幕といえるでしょう
かくいう私も、対戦格闘ゲームでは、よく遠距離戦だったり翻弄を得意とする
テレポートや分身ができる、一味違いげなキャラクターを好んで探すわけです💚
こういったキャラクター選択の楽しさというのは、
何も対戦格闘ゲームだけでなく、MOBAでも、横スクロールアクションでも
カードゲームでも、RPGでも見られるものですし、人物に限らないなら、
車や飛行機、国家、ロボット、職業、使う武器なんかもまぁ似たところですかね。

そうしたゲームにおいては、当然、キャラクターはとても大切なものです
そのキャラクターを使う限りつきまとう得意と不得意、役割、プレイテクニック、
同じゲームのはずが使うキャラクターで全然違う体験になることも多々あります。
だから、そのキャラクターのゲームバランスを調整するのはとてもデリケートで
重要な開発プロセスです。
そして、えてしてその調整はゴールのない迷路か、底のない泥沼のような事態へ
バランス調整の担当者を引きずり込むものです(キャラクターの調整はたいてい
終盤まで続くため、試行錯誤しすぎで分からなくなることも多いのです💦)。

そんなこともあるので、私は自分なりに、どんな指針にもとづいて調整をするか
いくつかのルールを課すことで、調整が自分の中で右往左往しないようにしています。
そんなルールの代表的な一部を、ここではご紹介したいと思います。

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弱さこそが基盤

プロモーションビデオや雑誌やWebサイトとかでキャラクターが紹介される時、
当然そのキャラクターの魅力や実力が中心になって紹介されます。
だからキャラクターを作る時、「何ができるのか」を中心に考えやすいですが、
自分はそうした時、キャラクターの弱さ、何ができない(不得意)か
最初に考えるようにしています。
例えばゲーム中で攻撃、防御、移動の3種類の行動があれば、1人目は移動できない、
2人目は攻撃できない、3人目は防御できない、という感じです。

次の工程上の理由もありますし、「キャラクターらしい弱さ」があることが、
そのキャラクターの魅力、人間味を高めてくれるからです。
ただ単純に強いより、凹んでいる点、欠点があるほうがキャラクターを使う側も
キャラクターに親近感、微笑ましく感じやすくなります💚
弱さを作るためにも、キャラクターの背景情報やイメージとかを、事前の資料で
調べたり、ディレクターやアーティストなどにコンセプトを確認したりします。

強さは弱さを覆わない

上で弱さの方向性を決めたら、ようやくキャラクターの「何ができるのか」の
強さについて詰めていきます。
その時に注意したいのが、弱さを消さないということです。
弱さというのは、意識して残さないと容易く消え、HBの鉛筆をベキッとへし折るように
簡単に他の強い面によってカバーできたりします(プレイヤーだってカバーするように
プレイするわけですから当然ですね)。
弱さとははかないもの、せっかく最初に決めている弱さも、ゲーム上では発揮されない
設定になってしまっては、意味を半分以上失ってしまいます💦

だから、強さについては「弱さと違う方角に強さを作る」ことを意識します。
例えば、命中率を強さ、ダメージを弱さにしてみると、残念ながら命中率もダメージも
どちらもあたえるダメージという方角を向いていて、弱さはカバーできてしまいます。
ダメージを弱さにするなら、方角を変えて、回復支援を強さにするとかはどうでしょう。
これなら弱さをそのまま、味方を回復するという強さを併存させることができます。

イメージを表現するデータ

キャラクターのバランス調整の多くは数字、いわゆるパラメータです。
基本的には、ゲームバランスのことを考えながら公正な数字を心掛けるでしょうが、
それがプレイヤーの目につく値であれば、そこにキャラクターの背景イメージ、
意味を持たせられるかも考えていきます。

例えば一卵性の双子のキャラクターがいるとしましょう。
双子という背景を活用するなら、ベースになるパラメーターは全部、完全に同じにする
というのも面白いかもしれません💚
一方で、その双子がいくつかの考え方で正反対の性質を持っていたり仲が悪かったりと
いう背景を持っているなら、パラメータのいくつかを逆にしてみるのもよいでしょう。
双子の兄は力40+速さ35なら、弟は力35+速さ40にしてみる、などです。
単純な数字であったはずのデータに、キャラクターとしてのらしさが加わることで
それを読み解く面白さが生まれたりもします。

初めは強く、最後にちょっと弱く

バランス調整をする時、しょっぱなからバランスが正解ってことは、まぁまずありません。
テストプレイを繰り返しながらあーだこーだと意見をまとめながら、意見を取捨選択して
キャラクターに反映させていく、そのプロセスの繰り返しです。

そのプロセスを始める初期の段階は、そのキャラクターが「強い」「チートじゃん
と言われるくらい、やりすぎに強いパラメータを設定することが多いです。
強いキャラクターとしてプレイして、面白かったポイントが抽出できれば、そこを損なわず
調整することができますが、弱いだけの場合、何をどう強くするかの指針が立てずらいです。
調整する数字も大胆に、2倍にするとか1/2にするとか、分かりやすく上下させていきます。
細かく調整するのは、すべてのキャラクターとゲーム要素がそろってからにします。

そしていよいよ開発もそろそろ終了を迎えようとしている終盤、キャラクターのバランス
調整を終える頃合いになってきて、まだバランスが動いてるキャラクターがいる時、
もちろん、最後まで粘って最適なバランスを目指しはしますが、それでもどうにもの時は
最終手段の「ちょっと弱く落ち着ける」で調整を締め始めます。
なぜなら、弱すぎるキャラクターや必殺技があるだけなら「使われない」で済むのですが、
強すぎるキャラクターや必殺技の存在は「ゲーム全体を壊す」ことになりかねないからです。

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こんな感じのことを、ゲームのバランス調整や企画をする時、考えながら進めています。
常識的に知られている手法もあれば、自分のポリシーのものまでごた混ぜですが。
上は分かりやすくキャラクターを事例にしていますが、ゲーム内のモンスターやステージの
ギミックとかを考える時でも、こういうのは応用したりしますね。

もちろん、残念ながらこんな方法が絶対的に正しいわけではありません💦
自分の考えだけでなく、開発の最終決定者が、全体を俯瞰しつつ作り直しになったりしますし、
結局のところゲームバランスの功罪も、みんながプレイしてみてどうか、実際に発売してみて
どうだったか、そんな結果でおぼろげに「正しいのはこっち?」が見えたり、ビッグデータの
膨大な統計から結論が出たりしていくものでしょう。

ただ、自分が「このバランス調整はこれこれだからこのようにしている」という裏付けの哲学が
あるのは、プロフェッショナルの仕事として重要と思いますし、クリエイターとしての表現の
一種と思っているわけです💚
以上、キャラクター調整沼現地からのリポートでした(ズブズブ)

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