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デザイン
デッサン嫌い
こんにちは!大阪デザイナーのハマグチです。
通例どおり絵の話ですが、今回は自分の不得意分野、「デッサン」の話です。
●デッサンをやる意味がわからん
受験やポートフォリオのためにやったきりで、続かなかった…という人も多いと思います。
(多いですよね?基礎練嫌いの怠惰な絵描きは私だけではないと信じています!)
私が当時デッサンを嫌いだった理由を、ざっと挙げるとこんな感じです。
・「線を真っすぐ引ける」など、アナログ技術向上的な効能がフルデジタル世代に響かない
・黙って数をこなせ的な熱血が、非効率的に感じてだるい
・立方体とかリンゴとか、局地的に練習しても意味がない気がする
つまり、
「デッサンやっても普段の絵にどう活かされるのかわからず、やる気が出ない」
というのが、モチベーションを下げていた大元の原因だったのでしょう。
…ということは「デッサンが何の役に立つのか」を先に踏まえておけば
少しはやる気になれたのではないか?ということで、
デッサンを習っていた時に教わったことで、
「今、普段の絵に役立てられていること」をいくつか探してみました。
●デッサンの活かし方
この「絵心ゼロで描いた本(?)」を、デッサン技術でマシにして行こうと思います。
(画像例は高校生の時の絵なので、上手い下手はとりあえず不問としてください…)
○構図
最初にモチーフを並べて構図を決める時、大体、いいからナナメに置けと言われます。
この牛乳パックを正面から描いた場合、シルエットがただの長方形になり、形が想像できません。
ナナメにすることで、面とカドが沢山見えるようになり、一気に理解しやすくなります。
たぶん、「立体の情報を多く見せられる方向」に置けという指示だったのだと思います。
○直線
ビン等の人工物を描く時、線が真っ直ぐになるまで散々描き直しさせられますが、
あれは単にまっすぐ線を引く特訓だった、というわけではないはずです。
「直線が直線かどうか」は物体の印象を大きく左右します。
同じ直線でも、ビン等の人工物は少しでも歪んでいると手作り感が出てしまい、
逆に布や古いものなどは正確すぎる直線だと不自然に見えます。
直線ツール製だった線をほどほどに歪ませて、
「分厚い本」→「使い込まれた分厚い本」になりました。
○省略
受験デッサンでは、制限時間内に仕上げるために、「描く所と描かない所」を作ることがあります。
絵をパッと見た時に重要なのは、模様の正しさ<物体全体の立体感です。
中央ロゴ以外のプリントはかなりザックリ描きですが、案外、絵としては成立しています。
「使い込まれた分厚い本」→「使い込まれた分厚い魔導書」になりました。
星っぽい模様・文字っぽい塊があれば、魔導書として認識するのに十分なので、模様はいい加減でもOKです。
○強調
正直に見た通りに描いていても何か全体が白い/ボンヤリしている…
そんな時は、「リアルに近づけるために嘘をつく」必要が出てきます。
実際、白の牛乳パックにこんなに濃い陰影がついているわけないのですが、
陰影でカドを強調すると、一気に立体らしく見えるようになります。
人間が立体を見る時は、単純な陰影に加え、脳が勝手に立体感を補完するので、
平面の中に立体を表現する場合は、多少の嘘や強調でそれを補って丁度良いのかもしれません(※根拠はないです)
「使い込まれた分厚い魔導書」→「使い込まれた分厚い魔導書(立体的)」
カドの部分に実際にはありえない色の光/カゲを入れました。が、立体感は上がったはずです。
最初に比べると、かなり絵の情報量が増えました。
●まとめ
いかがだったでしょうか…。
挙げてみると、普通に普段から活用できている気がしますね…。
絵の練習としてのデッサンとは、
「手本を見ながら表現したいものに近づける過程で、何が有効な手段だったか学ぶ」
…という作業なんだと思います。
もしかすると、デッサンやクロッキーに対する「コツコツやれ」「基礎は数をこなせ」みたいな表現が、
【考えずにとにかく手を動かすこと】をイメージさせて、効果を薄れさせていたのかもしれません。
どうせやらなければいけないのなら、
何を身に着けようとしているかわかった上でやる方が、基礎練としての価値も高まるのではないでしょうか。
ではまた!
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