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HEXA BLOG

日記

HEXA BLOG日記2022.3.10

役に立ちそうで立たない、ちょっとは立つかも…な数学の小話 その2

こんにちは、ヘキサドライブ大阪スタジオプログラマの卍丁です。
前回のブログ投稿が 2020 年 3 月なので、2 年ぶりの投稿になります。時がたつのは早いですね。

前回に続き今回も 3 月記載と、「3」という数字に縁のある卍丁です。
そんな「3」という数字に関しまして、みなさんはこのような話を耳にしたことはあるでしょうか? (ちょっと強引な導入…)

  ある整数の各桁の数字を足し合わせたとき、合計値が 3 の倍数なら、元の整数も 3 の倍数である

どういうことか? 例えば「2022」という整数。
この整数の各桁の数字を足し合わせると
  2 + 0 + 2 + 2 = 6
6 になります。63 の倍数なので、20223 の倍数になるということです。つまり
  2022 ÷ 3 = 674 余り 0

同様に「202203」の場合では、
  2 + 0 + 2 + 2 + 0 + 3 = 9
93 の倍数なので、元の整数も
  202203 ÷ 3 = 67401 余り 0
となり、3 の倍数

20220310」の場合だと、
  2 + 0 + 2 + 2 + 0 + 3 + 1 + 0 = 10
103 の倍数ではないので、
  20220310 ÷ 3 = 6740103 余り 1

と、元の数値も 3 の倍数ではなくなります

なぜこのような法則があるのか? 確めてみたいと思います。

 

(1) ひたすら並べてみる
ある整数の各桁の合計が 3 の倍数の場合、元の整数も 3 の倍数」のであれば、
3 の倍数の各桁の合計は、必ず 3 の倍数」になるはずです。
ということで、3 の倍数を並べてみましょう。

    3     6     9   12   15   18   21   24   27   30
  33   36   39   42   45   48   51   54   57   60
  63   66   69   72   75   78   81   84   87   90
  93   96   99 102 105 108 111 114 117 120
123 126 129 132 135 138 141 144 147 150
153 156 159 162 165 168 171 174 177 180
183 186 189 192 195 198 201 204 207 210
213 216 219 222 225 228 231 234 237 240
243 246 249 252 255 258 261 264 267 270
273 276 279 282 285 288 291 294 297 300

ひとまず 300 まで並べてみました。以降は、↑ に並べた数値に +300 した数値が続きます。
ここで並べた数値を眺めると、ある規則が見えてきました。

  • (A) 1 桁目が 0、3、6、9 という「3 の倍数」の場合、2 桁目以上も 0、3、6、9、12、15、… と「3 の倍数」になる
  • (B) 1 桁目が 2、5、8 という「3 の倍数+2」の場合、2 桁目以上は 1、4、7、10、13、16、… と「3 の倍数 +1」になる
  • (C) 1 桁目が 1、4、7 という「3 の倍数+1」の場合、2 桁目以上は 2、5、8、11、14、17、… と「3 の倍数 +2」になる

(A) の場合、「「3 の倍数」 + 「3 の倍数」 = 「3 の倍数」」になるのはわかると思います。
(B) の場合、「「3 の倍数 +2」 + 「3 の倍数 +1」 = 「3 の倍数 +3」」になり、こちらも 3 の倍数になります
(C) の場合、「「3 の倍数 +1」 + 「3 の倍数 +2」 = 「3 の倍数 +3」」になり、やはり 3 の倍数になります

つまり、1 桁目の数字によって、2 桁目以上が取りえる数値が固定化されており、
合計が必ず 3 の倍数になる状態が継続されているのです。

これは桁上がりのタイミング
      9 ->   12
    18 ->   21
    27 ->   30
    39 ->   42
    48 ->   51
    57 ->   60
  ……
    99 -> 102
  108 -> 111
  117 -> 120
  ……
  198 -> 201
  207 -> 210
  219 -> 222
  ……
にて、「10 の位が 1 -> 2 -> 3 -> 4 -> 5 -> 6 と 1 増えるたび、1 の位が 2 -> 1 -> 0 -> 2 -> 1 -> 0 と、3 から 1 を引き続けた値になる」ことが起きているためです。
(1 の位が -1 以下になる時に、 2 -> 1 -> 0 を繰り返します)

上記、10 の位と 1 の位の増減分を並べて足し合わせると
  (10 の位)    1 -> 2 -> 3 -> 4 -> 5 -> 6 -> … -> 10 -> 11 -> 12 -> … -> 20 -> 21 -> 22 -> …
  (  1 の位)+2 -> 1 -> 0 -> 2 -> 1 -> 0 -> … ->   2 ->   1 ->   0 -> … ->   1 ->   0 ->   2 -> …
  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  (合計値)     3 -> 3 -> 3 -> 6 -> 6 -> 6 -> … -> 12 -> 12 -> 12 -> … -> 21 -> 21 -> 24 -> …

合計値が常に 3 の倍数が続きます。

合計した値の各桁をさらに分解して足し合わせると、これまた必ず 3 の倍数になっているのがわかるかと思います。

 

(2) それっぽく解いてみる
原始的に並べてみてわかったので、今度はちょっと考え方を変えて、数学らしく式を使って確認してみます。
ここで、ある整数を以下のように考えてみます。

  ある整数 = 100 × X + 10 × Y + 1 × Z
   ※ X、Y、Z は、0 ~ 9 のいずれかの数値とします。

この右側の式をちょっと分解して、
  = (99 + 1) × X + (9 + 1) × Y + 1 × Z
  = 99 × X + 1 × X + 9 × Y + 1 × Y + 1 × Z
  = 3 × 33 × X + 1 × X + 3 × 3 × Y + 1 × Y + 1 × Z

分解した式を、グループ分けします。
  = 3 × 33 × X + 1 × X + 3 × 3 × Y + 1 × Y + 1 × Z
  = 3 × 33 × X + 3 × 3 × Y + 1 × X + 1 × Y + 1 × Z
  = 3 × (33 × X + 3 × Y) + 1 × (X + Y + Z)

3 × (33 × X + 3 × Y)」と「1 × (X + Y + Z)」2 つのグループができました。
このうち「3 × (33 × X + 3 × Y)」は 3 の倍数であることはわかるので、
もう 1 つのグループ「1 × (X + Y + Z)」が 3 の倍数であれば、「「3 の倍数」 + 「3 の倍数」 = 「3 の倍数」」になるので、
元の整数が 3 の倍数になります
つまり、「ある整数の各桁 (X、Y、Z) の合計値が 3 の倍数であれば、元の整数も 3 の倍数である」ことが成り立ちます。

上記の式は 3 桁の場合で考えてみましたが、4 桁以上の数字の場合でも、同じようにグループ分けして考えることができます。

 

以上で、「ある整数の各桁の数字を足し合わせたとき、合計値が 3 の倍数なら、元の整数も 3 の倍数である」ことが確認できました。
また 1 つ、何に使えるかわからない知識が増えてしまいましたね。

それではまた~。

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