HEXA BLOG
ヘキサブログ
ゲーム
カード破産と腹筋
月日は百代の過客にして
行かふ年もまたミッツです![]()
皆様はカルドセプトというゲームをご存知でしょうか?
古くは1997年のセガサターン版から始まり、連綿と続く
トレーディングカードゲームとボードゲームとを足したような
いとをかしき(趣深い)ゲームです。
かつて私は、これをプレイするためだけに友人宅に連日を
泊り込み続けるほど、このゲームが大好きでした![]()
そのカルドセプトシリーズの最新作
『カルドセプト リボルト』

が3DSで発売した以上、当然、私は発売日当日に買ったわけですが、
なぜか3DSを手元から紛失しており、とりあえずパッケージの
ジャケットイケメンお兄さん立派な腹筋を眺める日々…![]()
それが先日、ベッドの下に3DSが鎮座されていたのを発見したことで、
ついにようやくプレイするに至ったのです。
ハレルヤ![]()
カルドセプト独特のカード呼称ボイスに、嗚呼、脳が震えます![]()
さて、実際にプレイしてみて実に驚きました。
これまで、新たなカードや能力、マップギミックなどが
追加されるような形で拡張していったカルドセプトでしたが、
今作では基礎ルールから大きく見直していて
シリーズとしてはこれまでになく大胆なメス入れだったのです![]()
そこで今回は、
この『カルドセプト リボルト』について、
これまでのシリーズとの違いがどのようなゲーム的変化、影響を
もたらしているか、思うところを並べてみたいと思います。
(なお、これらは個人の感想であり、感じ方には個人差があります。
制作意図の真意が実際にはどうだったかも当然ながら不明です)
ルーレットからサイコロ
カルドセプトは『モノポリー』とも似た、マップ内のマスを、
サイコロ振ってグルグルとマップ周回してお金を稼ぐゲーム。
よって、サイコロは大切なゲームシステムです。
これまでのカルドセプト(以下『旧作』)では
サイコロというのは、例えば1~10の中からランダムな値が出ます。
つまりサイコロというより、人生ゲームの“ルーレット”でした。
カルドセプトリボルト(以下『新作』)では
0~5と書かれた6面体サイコロを2個振って、その出目を合計した
数字だけ、キャラクターを移動させます。

(出目にしたがってマップをぐるぐると移動。周回するたびにお金が入ります)
旧作のルーレット方式では1~10のどれが出るか均等な確率ですが
新作のサイコロは2個合計して5が最も出るようになって
極端に高いor低い(例えば10や2)は出る確率が減ります。
つまり、5マス先やその±1が止まりやすいという偏りが生まれるわけです。
そして偏りがあるということは、プレイヤーがその偏りを活かした作戦を
考えることができる余地が生まれたということなのです。
ランダムの中に偏りを生むことは、
ゲームデザインの上でとても大切なもので、
サイコロを2個にする、という方法はその偏りを自然に導入できます。
とてもシンプルでスマートな方法といえるでしょう![]()
土地強化の自由度
カルドセプトは、止まったマスにモンスターを配置して自分の土地にし、
お金を投じて土地を強化、そのマスに止まった対戦相手から通行料を
奪いとってお金を稼ぐゲーム。
つまり、土地の強化も大切なゲームシステムです。
旧作は「このターンに通過したマスを強化できる」というルールで、
移動した直後の土地だけを育てることができました。
新作は「各マスに対して、1周ごとに1回強化できる」というルールになり、
キャラが通過した場所と関係なくどの土地も1回強化することができます。

(高額の土地ができた時はテンション増し増し。対戦相手は戦慄する)
旧作までは、対戦相手の移動戦略にあわせて領地を強化することは難しく、
おもに弱点を補っておくといった防御的な側面で領地を育てつつ、
たまたま止めた相手から金を奪えれば…、という先行投資の感覚が強いです。
新作では1周1回とはいえ、どこを育てるか自由度が高いルールになってます。
これにより臨機応変で、攻撃的な試合運びになるわけですが、
どれくらい臨機応変な幅のある戦略が作れるか、
どの程度まで攻撃的なゲームメイクをさせるかは、
ゲームデザインとして大切な決め事です。
このルール変更も、カルドセプトのゲーム進行を大きく揺るがすものでしょう![]()
【総括】
他にもいくつか、新作では基本ルールが変更されていましたが、
この記事では細かいところについては割愛します。
このままでは愛があふれすぎてしまうので。
上記の「ルーレットからサイコロ」「土地強化の自由度」というアイデアは
べつに“これまで世界中で誰も考えたことがなかった”というほど
斬新なものではありません。
しかし、連綿と続くシリーズタイトルの最新作からおこなう改定としては
とても大胆なものですし、さらにはそこに一貫した哲学が感じられます![]()
カルドセプトの楽しい部分を頻発化
旧作のカルドセプトを数多くプレイをしていけば、
例えば、以下のような部分が盛り上がることなどが見えてくるでしょう。
・自領地に敵を止まらせて金を奪うのが楽しい
・敵の領地を無事に避けた時が楽しい
・敵の領地を逆に奪えた時が楽しい
そこで、そうした楽しさが頻発するようにするためサイコロの変更や、
土地強化に関するルール変更が効果的に、幅広い側面で働くわけです。
カルドセプトのつらい部分を瞬間化
旧作のカルドセプトを数多くプレイをしていけば、
例えば、以下のような部分が非常につらいことなどが見えてくるでしょう。
・移動が遅々として、できることがなくてつらい
・金欠状態が続いて、できることがなくてつらい
・勝ち目のないゲームが長引いてつらい
そうした試合運びの停滞が可能な限り短くなるよう、サイコロの変更や
土地強化に関するルール変更が効果的に、幅広い側面で働くわけです。
シリーズタイトルというのは良くも悪くも、前作の好評を守りつつ、
前作のマンネリも打破する、という難しい守りの姿勢が求められるものです。
そんな中、今回の『カルドセプト リボルト』では基本ルールの中心に斬りこみ、
その斬りこみ方も「カルドセプトの楽しいって何?」という問いを続けたような
鋭さと勇ましさを感じられます。
3DSという携帯ゲーム機にふさわしいスピード感のある仕上がりでした。
タイトルにある「Revolt(反攻)」が
今作がこれまでの旧作システム群へのアンチテーゼだとの意気込みなのでは、
と思い馳せ、今日もカードとサイコロで対戦相手をカード破産させています。
いやはや、イケメン兄さんの腹筋を楽しむだけに終始しなくて良かったです![]()
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