HEXA BLOG
ヘキサブログ
映画・舞台鑑賞
Three Billboards Outside Ebbing, Missouri
こんにちは。
東京開発のJ4です。
今回は、最近観た映画の紹介をさせていただきたいと思います。
紹介する作品はこちら。
今年のアカデミー賞作品賞最有力候補とされている、マーティン・マクドナー監督の「スリー・ビルボード」です。
作品の舞台は、アメリカ南部、ミズーリ州の小さな町エビング。
ミルドレッド・ヘイズという中年の女性が、町外れの道路沿いに3枚の広告版(ビルボード)を立てます。
広告版には、7ヶ月前に殺害された自分の娘の捜査が何の進捗も見せないことに対し、警察の無能さを非難する内容が書かれており、それを見た警官達は当然そのことで腹を立てます。
ただ、そのことに反感を抱いているのは、警察の方だけではなく、町の住民達の中にも、ミルドレッドの行動を非難する人がいたりして、様々なトラブルが起こるという内容の映画です。
一応、物語の主人公はミルドレッドですが、他の登場人物達にもしっかりスポットが当てられ、彼らによって物語は全く予測しない方向に転んで行きます。
ミルドレッドの行いは不当だと思うが、自分なりに頑張っていて、町の住人からの人望も厚い警察署長、人種差別主義者で同性愛者の暴力警官、離婚したミルドレッドの元夫、ミルドレッドに思いを寄せるティリオン・ラニスター・・・じゃなくて、中古車ディーラーなどなど。
その登場人物らを通して、現代アメリカ社会が抱える問題―治安問題、人種差別、家庭内暴力、ジェンダー問題、果てはアメリカ軍の海外派兵に纏わる問題まで、実に様々なことを語ろうとする映画ですが、映画の核となるメッセージは、「怒りは怒りの連鎖を生むだけで、何の解決にもならない」ということではないかと思います。
個人的にはなかなか面白く、色んな映画祭で賞を取っているのも納得の良い作品でしたが、上で書いているように、アメリカの様々な問題に触れている、まさにアメリカ社会の縮図のような映画ですので、アメリカ社会への興味や知識がある程度なければ、この映画を100%楽しむことは難しいかも知れません。
それでも、役者達のすばらしい演技、どこに飛ぶかわからないボールのような(最後にちゃんとゴールするかどうかはおいといて)物語、作中にあふれるユーモアは映画好きな人なら十分楽しめると思いますので、興味のある方は映画館に足を運んでみては如何でしょうか。
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