自己紹介といえば、定番のお題に「好きなものは」というのがありますよね。
みなさんは「好きなもの」を尋ねられてすぐに答えることができますか?
私はというと実にいろいろなものが思い浮かぶのですが、当たり障りなく誰もが知っている食べ物に絞り込もうとして「三度の食事よりラーメンが好きです」と答えて若干引かれた事があります。
みなさん、はじめまして。大阪開発・3D背景デザイナーのタカガハラと申します。
昨年4月の新卒入社から早1年と少々…先日のおにぎり先輩同様、プロジェクトの都合により本日が初ブログとなります。もうおわかりかと思いますが、話を面白おかしくしようとしておかしなことになるタイプです。
ここまで読み飛ばしていただけましたでしょうか? よろしくお願いいたします。
さて、冒頭で述べたいろいろ思い浮かぶ「好きなもの」なんですが、今回は先日探索してきた廃線(はいせん)を取り上げようと思います。まずは写真をご覧ください。
こちらは鳥取県倉吉(くらよし)市をかつて走っていた旧国鉄(※)・倉吉線です。
※現在のJRは1987年まで日本国有鉄道(国鉄)という日本政府100%出資の国営企業でした。(鉄道博物館にて)
廃線。
かつて鉄道が敷かれ人や物資を運ぶ列車が往来していた跡地。
綻びと終焉の美学を感じずにはいられぬ、とてもノスタルジックな言葉です。収益の悪化、災害による不通、新線への切り替え、さらには設計上の欠陥など、様々な理由によって廃止され使命を終えることで線路は廃線となります。
さて、今回訪れた倉吉線を改めてご紹介しますと、この線は現在のJR山陰本線・倉吉駅から延びていた総延長およそ20kmの路線です。利用者数の低迷を理由に1985年(昭和60年)をもって廃止され、現在は知る人ぞ知るトレッキングコースとして活用されているようです。
詳細はネット上にもありますので割愛しますが、この時期は旧国鉄で赤字路線の廃止が相次いで行われたため全国各地に廃線が生じ、倉吉線同様に現在でもかつての面影を残している場所があります。
では倉吉線をダイジェストでお送りします。
泰久寺駅という駅の跡地から出発です。プラットホームは列車1両分ほどの長さしかありません。
駅名標はレプリカだそうですが当時使われていた本物とほぼ同じデザインです。コレはコレで雰囲気があります。
泰久寺駅の近辺はレールや枕木、運行支援装置などが廃止当時のまま残されています。
更に進んでいくとレールの両脇に竹林が迫り、幻想的な光景が広がっていました。
しばらく歩くとトンネルの入り口があらわれましたが、残念ながらここで行き止まりです。
というわけで、ここまで廃線と今回訪れた倉吉線跡についてご紹介してまいりましたが、いかがでしたでしょうか。
見ての通り、列車の運行に使われていた設備がそのまま残されていることも多く、特に人里離れた山間部では長年放置され独特な雰囲気を醸し出しています。永きに渡り手付かずとなった工作物が錆や植物に覆われた退廃的な光景には、森羅万象の力を思い知らされます。
ゲームの背景アセットを作る際、大げさに聞こえるかもしれませんが「森羅万象の力」による変化がリアリティの拠り所になるのだと、いつも考えています。開発スタジオで過ごす時間の長い私たちですから、時にはこうして外に飛び出していくことも必要なのかもしれませんね。
ちなみに、ヘキサドライブ大阪スタジオがあるここ大阪市内や近郊にも廃線跡が存在します。もし興味を持って頂けた方がおられたら是非調べてみてください。
今回はこのあたりにて。それではまた!