お久しぶりです、ナカムラです。
突然ですが、次の文章を読んで、どんな状況であるかを想像してもらえますか?
ある高校からの会社見学として、先生と生徒3名が来社されました。
すんなりと、来社された人数を具体的にイメージできたでしょうか?
すんなりイメージされた方、ちょっと先入観が強い人かもしれません
だってこの文章からは、先生も含めて3人なのか、先生を含めたら4人なのかが、ハッキリとは分かりませんよね?
今回はそういった、二通りに理解できてしまう文章のお話をしたいと思います
では続いて次の問題。
次の文章を読んで、二通りの解釈をしてみて下さい。
ウチの会社では、自動販売機の品揃えにバリエーションが少ないと、不満を抱える社員が少なくない。
さて、どうでしょう?
この文章、2通りのとらえ方が出来る事がわかりますか?
解釈
「ウチの会社では、自動販売機の品揃えにバリエーションが少ない」という不満を抱える社員が少なくない。
(自販機のバリエーションは、いつも少ない)
解釈
ウチの会社では、自動販売機の品揃えにバリエーションが少ない場合に、不満を抱える社員が少なくない。
(自販機のバリエーションは、少ない時とそうでない時がある)
「と」という表現が条件を表しているのかどうかが曖昧な為、こういった誤解の余地を残す文章になっている訳ですね。
こうした例題を見ただけだど、
「日本語って結構曖昧なんだなぁ」
と、他人事のように感じるだけかもしれません。
ですけど、実際の業務に関わる会話の中でも、結構曖昧な会話って成立していると思うんです。
例えば…
Aさん「あのー、敵キャラクターモデルが画面に表示されないという不具合を見つけたんですけど、
昨日の段階で出てました?」
Bさん「はい、出てました!」
Aさん「了解です!」
このような会話、普通にありそうですよね。
でも、誤解が生じる余地が残されていると思いませんか?
それは、Aさんの最後の問いかけである次の文章。
「昨日の段階で出てました?」
「出る」という単語が、発生するという意味にも、表示されているという意味にも使えるため、次の2つの解釈が可能な状態になっています。
解釈
「昨日の段階で(その不具合は)出てました?」
解釈
「昨日の段階で(本来の表示物は、画面に)出てました?」
Bさんがどちらの解釈をしたのかわからないまま「はい、出てました!」と返答したのに対してAさんが「了解です!」と答えてますが、場合によっては新規に発生している不具合が放置される結果になりかねません
ここに、第三者であるCさんが同席していたのなら、両者の意思疎通に齟齬が生じている可能性を感じ取れたかもしれないのですが、当事者同士はなかなか気付かないものです
こういった誤解が起こらないよう、私が出来るだけ気をつけていることとしては…
- できるだけ主語を略さない
- できるだけ代名詞を使わない
- できるだけ熟語の動詞を使う
上記の例で言う「出る」などの動詞は、状況によって別の意味を持ちかねない動詞です。「表示する」「発生する」という熟語なら誤解の余地はかなり減少すると思われます。
とはいえ、あまりにこれを意識すると、堅いしゃべり方しかできなくなるので、徹底するのはほどほどに
では、また