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HEXA BLOG

いいモノづくり道採用 -お役立ち情報も-

HEXA BLOGいいモノづくり道2014.3.20

ルールを説明する訓練

初春の候、ますますご清栄のことと(中略)ミッツです


プランナーの仕事の1つには仕様書の作成があります。
仕様書というのは、厳密な定義こそ難しいですが、大体
開発スタッフ向けの、これから作るゲームのマニュアル
なものです。
プログラマーやグラフィッカーは仕様書を確認して開発を進めます。
なので、仕様書の内容は企画書より精密さが要求されます。
ルール的な破綻があれば、破綻もそのままゲームに実装されますし、
不足があれば、欠損したままゲームができあがってしまうのです。
嗚呼、考えただけで恐ろしい…

 

企画書を実際の仕様書へ落とし込む作業は独特なものです。
企画書の時には膨らませていたアイデアを検分しながら、
時にそれをより膨らませ、時にそこにある無駄を削ぎ落とし、
全体として致命的なルールの欠陥がないかをチェックします。
この作業、最終的には経験がモノを言いますが、
仕様書の作成上、自分がよくトレーニングをかねてやっていたのは
既存のゲームを仕様化して洗い出すというものでして、それをご紹介します。

 


 

▼ジャンケンの仕様
 『ジャンケン』は日本国内できわめて有名なカジュアルゲームです。
 シンプルなルールではありますが、
 仕様にするとなると、これが結構
面倒なものになるのです

 

 A.ジャンケンとは2人以上のプレイヤーが対戦するゲームです
   ゲーム開始前に、このゲームの終了条件を定めます。
   最も一般的なのは「勝者が1名になるまで」か「敗者が1名になるまで」です。
 B.全プレイヤーは円陣などを組むような形で並び、中央の『場』を向きます。
 C.各プレイヤーは『グー』、『チョキ』、『パー』の3つの選択の中から、1つを選択します。
   この選択した内容は思考するに留め、対戦相手にはまだ開示しません。
   また、利き手を背中にするなど隠しておくのがエチケットとなる場合もあります。
 D.各プレイヤーは「ジャン、ケン、ポン」の掛け声を一斉に唱和しながら、「ポン」の
   タイミングで、プロセスCの選択に対応するよう、以下の形状に片手の手のひらの
   形を変えて、『場』の中心に向けて突き出し、全プレイヤーに開示します。
   ・『グー』を選んでいる場合
      …握り拳を作ります
   ・『チョキ』を選んでいる合
      …握り拳を作り、人差し指と中指を突き出した、ピースのような形を作ります
   ・『パー』を選んでいる場合
      …手のひらを開いた、5本の指ともまっすぐな形を作ります
 E.プロセスDによって一斉に『場』に出された利き手の形状をプレイヤー全員で確認します
 F.プロセスEで確認した利き手の形状が、以下の条件を満たす場合、引き分けです。
   ・場に『グー』『チョキ』『パー』の3種類すべての形状が、各1つ以上ある場合
   ・場に『グー』、または『チョキ』、または『パー』のいずれか1種類のみしかない場合
 G.引き分けの場合、プロセスCの手順から再度やり直します。
   やり直しの際、プロセスDの掛け声を「あい、こで、ショ」などと変える場合があります。
 H.プロセスEで確認した利き手の形状が、以下の条件を満たす場合、
   勝者が定まります。
   ・『グー』と『チョキ』の2種類の形状しかない場合、『グー』を出したプレイヤーが勝者
   ・『チョキ』と『パー』の2種類の形状しかない場合、『チョキ』を出したプレイヤーが勝者
   ・『パー』と『グー』の2種類の形状しかない場合、『パー』を出したプレイヤーが勝者
 I.プロセスHで勝者でなかったプレイヤーは敗者として定まります。
 J.以上のプロセスC~Iまでの手続きを1回の『プレイ』とし、
   このゲームが1名の勝者を決めるのが『終了条件』なら、『プレイ』完了後に勝者のみで
   2度目の『プレイ』を再開、勝者が1名になるまで『プレイ』を繰り返します。
   このゲームが1名の敗者を決めるのが『終了条件』なら、『プレイ』完了後に敗者のみで
   2度目の『プレイ』を再開、敗者が1名になるまで『プレイ』を繰り返します。  
 K.プロセスAで定めた『終了条件』を満たしたら、ゲームを終了します。

 


 

以上が、仕様に落とし込んだ『ジャンケン』です。
…うん、書いておいて何ですが、冗長で、説明はもっと楽だとも思えてきますな。
しかし、仕様書で大切なのは「誰にでも」「正確に」「漏れなく」「伝わる」ことです。
図解を作るなど、上記を読みやすくする工夫はするにしても、
(上述なら、項目ごとに太文字アルファベットを添えたり、専門用語に『』を付けたり…)
曖昧さ、誤読させる表現、矛盾は必ずなくしておかなければなりません。
ことさら短くするより、長くても正しく伝えられることに腐心するものです。

 

ジャンケンという体験と常識によって認識するゲームをこうして仕様に再分解して
明文化する作業は、ゲームの構造を頭に描く有効なトレーニングになります。
他にも、自分の知るゲームのルールを他の人に教えるなども良いでしょう。
手際よく教えるには、結構な試行錯誤をすることになりますよ。
ぜひぜひ、興味がわいた方はお試しください。

 

さて、ヘキサドライブでの3次募集の応募締切はもう間近です。
プランナー志望の方などは、上述のトレーニングをちょっとやってみつつ、
どうぞ奮ってエントリーください。
もちろん、中途採用も引き続き募集中、こちらは採用情報からご覧ください。

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