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HEXA BLOG書籍紹介2018.10.22

2018新人ブログデビュー!⑥

皆様初めまして、今年4月に入社したアーティストのユエと申します。
ブログ初投稿になります。よろしくお願いします。

あっという間に半年が過ぎました。もう秋ですね。今回は『Public Opinion』(『世論』)について話したいと思います。

『世論』という本を初めて知ったのは、大学生の時です。教授にジャーナリズム論の名作としてお勧めされました。その時は興味が湧かなかったのですが、大学卒業後に、自分の好きなことを勉強するようになり、以前は読もうと思わなかった本に興味を持つようになりました。


作者のウォルター・リップマンは世界でも有名なジャーナリストで、政治評論家でもあります。彼は1910年 にアメリカのハーバード大学を卒業してからジャーナリストとなり、約六十年間メディア関連の仕事を続けました。1922年にアメリカで出版された『世論』は彼の代表作として、十数種の言語に訳されています。

本は八つの章でまとめられています。メディアとして「新聞」を中心に取り上げながら展開していきますが、その核となる内容は「大衆社会とメディアの関係」です。彼の考えによると、私たちが認識している世界はメディアから与えられるさまざまな情報の中で、自分の内なるルールで編集されたイメージに過ぎない、という事です。

個人的に印象に残ったのは「ステレオタイプ」についての章です。リップマンの考えによると、人は膨大な外部世界から効率的に情報を得るために、周りの人々、学校、本、あらゆるメディアから既存のイメージや考え方を覚えることが多いそうです。

リップマンはその既成のイメージをステレオタイプと呼んでいます。普段はあまり馴染みのない言葉ですが、ステレオタイプの例は日常生活にあふれているのです。たとえば、家庭によってカレーの作り方やこだわりは異なりますが、これも一種のステレオタイプです。しかしステレオタイプは全て偏見というわけではなく、大体は現実で得た経験、もしくは歴史的、代表的な考え方からまとめられたものでもあります。それらを効果的に使うと、文化交流に役立つこともあります。例えばゲームや漫画でもステレオタイプを元に作られたキャラクターは多く存在し、二つのお団子ヘアのキャラを見れば中国を連想することができますね。


『世論』で書かれたリップマンの発想や考えにも感心していますが、この本を気に入ったのはリップマンの文章の書き方言や言葉遣いが好きだからです。理論の本というと難しいイメージがありますが、リップマンの言葉遣いは比較的シンプルで分かりやすいです。

また、論点を説明するためにあげている例も面白いです。本のはじめに、読者にメディアの影響力を理解してもらうため、第一世界大戦時の太平洋のとある島の話をしています。その島にはイギリス人、ドイツ人、フランス人が数人住んでいて、二ヶ月ごとに船で運ばれてくる新聞以外には情報を得るすべはありません。世の中では敵同士であるはずの人たちですが、この島では二ヶ月前の記事で仲良く盛り上がっている、というお話です。もし船で新聞が運ばれてこなかったのなら、その島の人たちは平和でいられるのかもしれませんね。そう考えると、メディアなしでは人の認識できる世界は周りのほんの少しだけだと気付く事ができます。

 


メディアやジャーナリズムにあまり興味がなくても、リップマンの文章はたのしく読めますし、とても面白い一冊だと思います。興味のある方は読んでみてください。

ブログをご覧いただきありがとうございました。それでは。

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