HEXA BLOG

いいモノづくり道

HEXA BLOGいいモノづくり道2016.1.5

ゲームの暗黒面

すでに明けましておめでとうございました。
すべてがMになる、ミッツです

 

コンピュータゲームは、ルールとルール、絵、音楽、シナリオ、
様々な要素が一体感をもって調和することでようやく完成する、
考えようによっては奇跡の産物です。
どれか1つが欠けても調和は崩れ、時には破滅的なものへと
変貌することも少なくありません。
そうした暗黒面に落ちたゲームのことを、
人々は、あるいは歴史は、「クソゲー」と呼ぶことがあります。

 

この「クソゲー」という言葉は、ゲーム開発に携わる者にとって
悲しみの象徴とも言えるものではありますが
新春を迎えた今こそ、あえてこの言葉ときちんと向かいあって
かつて生まれたゲームたちと、これから生まれるであろう
ゲームたちを襟を正して迎えようと思い立った次第です

 

利用者の主観によって定義される「クソゲー」という評価は、
当然のことながら厳密に定義することが難しい言葉です。
人によっては、1本のゲームを指して
 「これはクソゲー」
 「いや、クソゲーではない」
 「クソゲーではないがバカゲー」
などと、その評価はバラバラになることも多く
実は、「クソゲーとは何か」という命題は、
おそらく「面白いとは何か」「ゲームとは何か」という命題と同じか、
あるいは、それ以上に難しいテーマと言えるでしょう

 


 

【イメージやテーマやパッケージの評価】
 分かりやすく表出するものとして
 絵やゲーム内世界観、ドラマ状況など、ゲームを包んでいる
 イメージが要因でクソゲーとの評価になるケースがあります。
 ゲームの構造それ自体とは独立していることが多いです。
 つまり、小説やアニメなどだったとしても同評価になるでしょう。

 

 モチーフやキャラやストーリーが嫌い、苦手、陳腐といった
 期待する方向と違ったり水準から著しく低い場合に発生します。
 当然、そこに評価の重きを置いている人が主体を占めますが、
 例えばビジュアルノベルのように、イメージ評価に重きを置くよう
 コンピュータゲームの構造自体が形成されたジャンルもあります。

 

 珍しいケースとして、あえて違う方向や低水準にしてシュールな
 体裁をとるなどのゲームも存在し、純粋な嫌悪ではなく、ズレが
 あることの可笑しさを独特の味わいに昇華する場合もあるようです。
 これは、作品自体がそう狙うこともあれば、利用者がそういう解釈で
 楽しむスタンスを変えるというものもあります

 

【ゲーム全体の調和性の評価】
 ゲームルール全体が要因でクソゲーと呼ばれるケースです。
 全体で発生する問題は、ゲームタイトルやイメージやテーマなどから
 想起される体験と、ゲームルールから得る体験が異なることです。
 例えば、原作映画が人間関係のドラマ中心のラブコメディなのに、
 ゲームが弾幕シューティングである場合、
 テーマから期待した体験との違いに困惑と、人によっては原作に
 対する尊重の低さを怒ることもあるでしょう。

 

 ただし、これはズレのどちらをより重視するかで評価が変わり、
 弾幕シューティング好きの人には、恋愛弾幕シューティングという
 シュールな取り合わせを楽しめる場合もあります。
 もちろん、取り合わせの悪さもあって、2つが合体している味わいの
 悪さにうんざりすることも多いようですが。

 

【ゲームルールの一部の評価】
 ゲームルールの一部が要因でクソゲーと呼ばれるケースです。
 ルールとルールのメカニクスがうまく適合せず、その部分の体験の
 ズレによって不快感や混乱を与えます。
 例えば、このゲームはともかくキャラ育成が複雑で面倒、などです。
 クソゲーという評価の多くはここに分類されることが多く、
 特にRPGなどいくつものルール要素が複雑に組み合わさった
 ジャンルは特に陥りやすいでしょう。

 

 一部のルールが不快であるという以外にも、その部分が
 目に見えて無駄になっているケースもあります。
 例えば「広大な世界だが、やることは点在する街にしかない」
 となっていた場合、街以外のスペースは無駄に見えてしまい
 ゲーム全体と統合できていないとして悪目立ちするわけです。
 こうした時、もしかしたら世界が狭いほうがかえって調和が取れて
 良くなる場合もあるかもしれません。

 

【ゲームパラメータの評価】
 ゲームルールの一部で発生する問題と同カテゴリなのですが、
 便宜上、分けて考えたほうがすわりが良かったので別枠にしてます。
 ゲームルールは機能しているものの、一部のパラメータの影響で
 ゲームの体験に問題を及ぼしているケースです。
 「とある敵のスペック」程度であればその影響力は低いものですが、
 「攻撃力と防御力から算出されるダメージ計算」というパラメータだと、
 ゲーム全体に影響を及ぼすこともあります。

 

 例えば、多人数を相手に次々と連続コンボを決めて快感を得る
 アクションゲームで「敵がおしなべて硬い」というような形は
 パラメータに起因する症状です。
 ただし、難しいことだけがすなわちクソゲーというわけではありません。
 逆に「どの戦闘コマンドでも一撃で倒せるほど敵が柔らかい」でも
 戦闘の選択肢(=目標と手段)を失わせて、結果的にクソゲー感を
 強めることになります。

 

【体験デザインの評価】
 シナリオ進行のための行動が分からない、ゴールが見えにくくて
 迷路がクリアできない、弱点属性をぶつけるという発想が生まれない、
 同じパターンのプレイが連続して飽きてしまうなど、
 利用者が困惑や倦怠によってモチベーションを低下してしまう状態です。
 上記の例のとおり、およそゲーム内の色んなものが原因で発生する上に
 ジャンルによってゲームを構成している要素もバラバラになってしまうため
 「体験デザイン」という造語でくくりました。
 チュートリアルや目的地表示、ミニマップなど明示的に解決する手法や、
 序盤のゲームプレイでそれとなくプレイヤーに体験させて刷り込んだり、
 目立つオブジェで視線を誘導するというような暗示的な手法とによって
 解消しきれなかった時にも発生します。

 

【プレイボリュームの評価】
 ゲームそれ自体の品質よりも量、ボリューム感に関して
 着眼した評価です。
 特にプレイ時間と購入価格と比較して述べることが多いでしょう。
 ただしそれ自体のみで「クソゲー」と断定する要素になることは少なく、
 他方面ですでに評価を「クソゲー」確定させたゲーム作品に、
 付随する形で評価に加えるようなことが多いといえるでしょう。

 

【バグの評価】
 バグは商品としての成立前提からはずれた欠陥、故障ですので、
 そもそもこれまでの品質評価の軸と並べるものか判断が難しいですが、
 いわゆる「クソゲー」と評価を下される契機として、バグなどの多さから
 満足にコンテンツを利用できないことがあります。
 また、バグというものがきわめて分かりやすい形での問題点であるため
 悪いという評価を明確に認識できることも、これに寄与します。

 

【UI、操作性の評価】
 気づかれない、気づきにくい、混乱させる、操作しにくいまたは
 想像したのと違う反応をするなど、
 UIにはじまる情報表示や操作が要因となる評価です。
 ひっかかって進みにくい迷路デザインや、操作のためのボタン配置が
 おかしいこと、パラメータの文字が小さすぎて読めない、
 操作に一貫性がないなど、広範に存在することがあります。

 

 とはいえ、UIや操作性だけが原因でクソゲーとなるケースは少なく、
 傾向的には他の部分の評価が問題となっているゲームは
 ここにも問題を抱えていることが多い、というような感じです。

 

【ブランドの評価】
 ゲームを出している企業ブランドや、開発者の個人ブランドへの
 評価に関する分類です。
 いわゆるファンの対義語にあたる「アンチ」などが主体を占める
 評価ですが、ゲーム発売前の評価はここに占められますし、
 利用者の購入前のゲーム評価はここを起点とすることも多いです。
 ゲームそれ自体の評価ではないため、分類として数えるのは適切では
 ありませんが、クソゲーと評価されるゲームに対する揶揄にこれらの評価を
 起用するケースは少なくありません。

 また、昨今ではオンラインゲームやソーシャルゲームと呼ばれる分野で
 いわゆる「運営」という形で更新を続けるコンテンツ形態が存在しますが、
 この場合「運営」のブランドイメージが、ゲームそのものの評価に直結する
 傾向にあります。
 ユーザー対応次第で好評になる場合もあれば、ないがしろにすることで
 「クソゲー」と認定されることも往々にしてあるようです。


 

あまり行儀のよい表現でもないので
(仕事柄)日頃はあまり使うことのない「クソゲー」という表現なのですが、
こうして系統として並べていくと、そこには実に多くの要素への表現が
包括的に含有されているものです。
これこそ、ゲームが成立するためには、多くの要素がきちんと一貫性を
持って組みあがっている必要があるという奇跡の証明ともいえますし
このクソゲーという言葉が含む複雑さこそ、プレイヤーであるみなさんの
ゲームへのの表れともいえるのかもしれません。

 

であれば、私たち開発者は、その愛の表現を真摯にとらえ、
新たなゲームを作る時、それに勝るとも劣らないをそそいでいくことが
クソゲーというこの言葉に贈れる最高の手向けとなるでしょう(良いこと言った風)!

 

※ここで提示されるクソゲーのビジョンは、ミッツ個人が便宜上で仮定した内容ですのでご注意ください。

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